昨日は銀座から渋谷へ行き、生活感のない街を歩くと
こんなにも疲れるものかと思いました。
毎日が祭り騒ぎのような、おもちゃ箱を
ひっくり返したようなところで働いている人は、
心と体が疲弊してくるのではないかと
思ってしまいました。
こんな雑踏の中でも、星野道夫さんなら
心の中にアラスカの自然を、クマをカリブーを
思い描くことが出来たのであろう…
動物園の疲れた動物しか知らない私は、
星野さんの写真を思い浮かべる、それだけでも
ふっと心が楽になる
『ぼくたちが毎日を生きている同じ瞬間、
もうひとつの時間が、確実に、ゆったりと
流れている。
日々の暮らしの中で、心の片隅にそのことを
意識できるかどうか、それは、
天と地の差ほど大きい 星野道夫 』
今日は一日、星野さんの本を読んで、アラスカを
星野道夫の世界を旅していました。
どの写真を観ても、懐かしさを感じるのは
なぜでしょう…
それは、枯渇していた魂が、帰るべき世界を
星野さんの写真に見つけたからでしょうか
読んでいて、やっぱり初女さんと星野さんは
繋がっていたと思えました。
星野さんがムースの頭をスープにした
ヘッド・スープを口にしたときの言葉に
初女さんが重なりました。
『生きる者と死す者。有機物と無機物
その境とは一体どこにあるのだろう
目の前のスープをすすれば、極北の森に生きた
ムースの体は、ゆっくりと僕の中に
しみこんでゆく。その時、僕はムースになる。
そして、ムースは人になる。
星野道夫 』