~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

糠つけに初女さんを思う時…

2019-01-18 10:20:03 | 日記

テレビで糠つけを作る人が増えたと言ってました。

「糠床男子」という言葉も生まれているそうです。

大変いいことだと思うのですが、ちょっと?が

心に残りました。

発酵糠床は、1週間に1回手をいれれば

良いとのことです。

月に1800円払うと、お店の人が置いてある糠床の

手入していてくれ、本人は糠漬けを受け取りに

行けば、美味しい糠漬けが食べられるそうです。

手軽で便利だけれど、何か違うよな~と

思ってしまう自分がいます。

私は夏場も糠床を冷蔵庫に入れてないので、

日に何回も手をいれます。

外出した時は、帰って来て一番に糠床の処に

飛んで行ってかき混ぜました。

そうしてると、糠床に愛着が湧いてきます。

多分、こういう行為が大事なんじゃないかな

と、思うのです。

初女さんも、講演などで何日も家に帰れないと

糠床が気になってね~と言われてました。

初女さんが亡くなる1年前に、私やランディさんに

最後に教えて下さったのが、ぬか漬けでした。

1月の凍てつく台所で、初女さんが

震える手で、きゅうりのイボイボを剥かれていた

お姿は、心に深く刻まれています。

私たちは、初女さんのいのちの炎がもう長くない

ことを感じ、息を止める様な緊張感で

初女さんが糠漬けを漬けるのを見ていました。

心をかける、ということを目の前で見せて

下さったのです。

糠漬けの美味しさを、みんなが知ってくれるのは、

それはそれは嬉しいことですが

昔から、日本人の生活の中にある「手塩に掛ける」

ということを、忘れないで欲しいと思うのです。

初女さんは、心をかけるとは手をかける

手をかけるとは時間をかけると言われてました。

時短ばかりが重要視され、大切な心が

なければ、心に響く味にはならないと思うのです。

そして、初女さんが「糠床は私物多様性」と

言われていたことの意味は、手塩にかけないと

分かってこないかもしれません。

寒くなり、カブや大根のぬか漬けが美味しく

なりましたよ~

 


 

コメント
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