家に帰ると、山田スイッチさんから本が届いて
いました。
中に入っていたカードに『6年前に初女さんから
頂いた本です。
直さんに必要なものだと思いますので、
受け取って下さい。』と書いてありました。
スイッチさんにとっても大切な大切な初女さんからの
贈り物を…それだけで胸が一杯になりました。
『ゴン太のお母さん』というその絵本は
行き成りお母さんのお葬式から始まるのです。
『ゴン太のお母さんが亡くなったのですが、
幼いゴン太は死がどういうものかわかりません。
お父さんに「お母さんはどこに行ったの」と聞くと
お父さんは、目に一杯涙をため「空の上だよ」と
言いました。
ゴン太は、お母さんに会いに行く決心をします。
「トコトン トコトン 母さん 母さん 空の上
お空の上のお母さん。
ぼくが行くまで待っててね」この言葉を
繰り返しながら、ゴン太はお空のお母さんを
目指して歩きます。
途中で会った友達が、心配して一緒に行こうかと
言ってくれたり、リスさんにクルミをもらったり
トコトン トコトン 行くと毒蛇に足を噛まれ
毒が体にまわってしまい泣いていると、ぞうが来て
鼻で毒を吸い取ってくれました。
これで大丈夫と、ゴン太は又トコトン行くと
山の頂上に来た時、ゴン太の目に青い海がうつり
海に見とれていたら、足を滑らし海へ落ちて
しまいました。体が海面に沈んだと思ったら
ゴン太は、お母さんの腕に抱かれていました。
お母さんは、友達のこともリスさんのことも
ゾウさんのこともみんな知っていました。
ゴン太を探していた山のみんなは、お空にいる
ゴン太とお母さんを見つけて、大粒の涙を
こぼします。
お母さんは「ゴン太の涙も、お母さんの涙も
山の皆の涙も、みんな同じですよ。
一つの涙、一つの心、その中でみんな生きて
いるのだから、お母さんが見えなくても
いつもお母さんは、ゴン太と共に生きています。
さあ、一つの心を持って、皆の待ってるお山に
帰りなさい。」と言って山の動物たちに、深く
頭を下げて消えました。
山に帰ったゴン太は「一つの心、一つの心」と
呟きながら、毎日いい子にしているのです。』
初女さんは、この本を通して「一つの心」を
伝えたかったのかな。
初女さんと同じ、一つの心を…
スイッチさん、本当に有難う!
海がどこかで繋がっていて、川も海へと流れが注いでいて、木や草や虫や動物とか生き物たちも、山や土や石ころたちも悠久の時の流れで、繋がって変化して。1つの星。
この一瞬を生きている、これほど確かなことはないですね。
いろんな人の手で届けられた物語、ありがとうございました。
初女さんがいないのに、初女さんの思いを分かち合うことが出来る恵みを、感じています。
生き続けるとは、こういうことなんですね。
KAORU さんとも分かち合えて嬉しいです!