佐藤初女さんと自然食のレストランで食事をした時
美味しいにんじんスープが出て来て、初女さんは
シェフに、どうやって作るのですかと尋ねられ
ミキサーを使って作ると聞いたとき、初女さんが
少しがっかりしたのを私は感じました。
初女さんがスープを作る時は、ミキサーは使わず
すりこぎでつぶすのです。
そのことが思い浮かび、私は心の中で「レストランで
すりこぎでスープは、無理ですよ」と呟いていました。
でも、新聞に載っていた料理家の高山なおみさんの
文章をを読んだら、初女さんに宿っている
調理の心を感じあの時、「無理ですよ」と呟いた
自分が恥ずかしくなりました。
高山さんは『電子レンジなどの器具は使わない。
素材の変化してゆく様子が、肌に伝わってこない
から、素材に無理をかけたくないから…
だからみじん切りや面取りをして形を整えるよりも
手でちぎったり、すりこぎで丹念に潰す方が好きと。
時間をつづめようとしないこと。操るより待つこと
時間というのは、自分の力ではない何かだと
私は思う』と書かれていました。
さすが、森のイスキアに初女さんを訪ね
初女さんの調理する姿を見つめた人だけあります。
初女さんの心が、高山なおみさんの中で
確かなものとして生きているのを感じました。
今、お料理番組を見ていると、殆どの番組で
時短を一番にしているのです。
初女さんは「その人の為に、どれだけ自分の
時間を差し出せるか…」と言われていました。
時短調理で出来た時間を、私達は何に使って
いるのでしょうかね…
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