世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

妖精のささやき

2008-07-02 16:33:04 | フェアリィウィスパー

さても、新しいカテゴリができました。時々ね、てんこの耳に、小さい妖精がささやいてくることがあるんですよ。

どうやら、妖精の世界の、もっぱらの噂話を、わたしにきかせたいみたいなんです。

ええ!? それほんとなの? て感じのお話しを、よくきかせてくれるんですけど、ほとんどは、人間には話せないような、信じられない話ばかり。でもね、誰にも話さないでいると、とっても苦しいので、な・い・しょ・で、ここに書いちゃいます。

全部信じたらだめですよ。何せ、妖精の話ですから。でもね、妖精だけに、小さいけれど、ぴりり、と辛いんですよ。とっても痛いの。

実はね。

時々ね、女の子が、ほかの女の子のしていることをみて、嫉妬して、そんな自分が嫌になって、苦しいってことがあるでしょ。たとえばね、ある女の子が、とってもかわいいお人形を、上手に作っていたりする。そうしたら、別の女の子が嫉妬してしまって、あんな人形、馬鹿みたいとか、いってしまう。

そんなこと、よくあるでしょ?

それはね、実は、悪いビーストが、女の子の心の中にささやいているからなんですってよ。嫉妬しちゃえ、馬鹿みたいっていっちゃえってね。なぜそんなことをするかっていうと、ビーストは、女の子どうしが仲良くなって、みんなでいいことするのが、いやだからなんですって。

女の子はみんな、男の子のことだけ、好きになってほしいんですって。だから、女の子どうし嫉妬しあって、みんなけんかしちゃえって、言うんですって。

だから女の子は、いつも小さなことでやきもちをやきあって、けんかばかりしてるんですってよ。

さて、ほんとかな。

こういう話ばかり、ささやく妖精がいるんですよ。困ってるんで、時々書いてしまいましょ。

でも、あんまりは、信じないでね♪



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ノウゼンカズラ

2008-07-02 08:13:41 | 花や木

ガラス屋さんの前の、ケヤキか何かの木にからみついていた、ノウゼンカズラです。この花が咲いているのを見ると、いよいよ夏が来たという感じがしますね。

激しく、熱いものがくる。身の内の苦い虫が焼き尽くされるような、炎がやってくる。そんなことを感じる花。

ノウゼンカズラは、正義の花です。正しいことを正しいと、まったく信じて、それのみで生きている花。鋼の信念を貫いて、ずっと生きている。

世界が、嘘と幻にまみれて、それが正しいんだということにさえなって、正義を叫ぶものは陳腐な馬鹿だといわれることになっても、ずっと己を通してきた。世間が何を言おうとそれは関係ない、わたしはわたしの信念を通すだけだと、正しいこと、真実を叫び続けてきた。

そういう花は、この世界では、ばかみたいなことをされます。いじめられ、辱められて、傷だらけという感じになります。ノウゼンカズラは、色も形もとても愛らしくてかわいいのに、近くでみると、やわらかそうな花びらがいつもいたんで、なんだか汚く見える。みっともなく見える。写真に写しても、なかなかそのほんとの美しさが、そのまま写りません。それは、人間が、この花を嫌いだと言っているからです。厭味なやつだといって、馬鹿にしているからなのです。

ノウゼンカズラは、まるで、戦をくぐりぬけ、満身創痍になってくたくたになって、敵に首根っこを押さえられてもまだ叫び続けている、老武者という感じの花です。

それでも、ノウゼンカズラは、信念を曲げない。焼けつく太陽の下、まっすぐに真実を主張する。にんげんどもよ、おまえたちはまちがっているんだと、叫び続けている。だから人間は、ノウゼンカズラを、いつも暑苦しいと感じてしまうのです。でもそんな花が、なぜか、人々の庭先に多く植えられている。熱い夏を、一層焼き上げるような赤い花が、家々のあちこちで燃えている。それはなぜでしょうか。

それは、人間が、ほんとうはまったく自分に自信がないからです。いろいろと馬鹿なことをやっても、ほんとは何もわからなくて、いつも心は不安にゆれうごいている。何かきついことがあると、容易に自分の信念を曲げてしまう。人間の心はまだ、とても弱い。だから、鋼の信念で真実を叫ぶノウゼンカズラの強さに、頼りたくなってしまうのです。

どんなに真実が侮辱され、苦しめられようとも、絶対に信念を曲げない。おれはおれだ。おれは、真実を叫ぶ。それ以外は一切いやだ。何をされてもいやだ。真実を馬鹿にすればどんなことになるのか、ずっと叫び続けていく。

何もかも馬鹿なことばかりだ。でもわたしは、やる。やらねばならないから。叫ばねばならないから。それをやらずにいられないのだ。苦しすぎるからだ。この世界は。

熱いものが、暑いときに咲く。蝉の喧騒にまぎれて、ノウゼンカズラは人間に叫び続けてきたのです。まちがっているものはまちがっていると。

そして今。まさに、真実が真実として現れる時代が、始まろうとしている。ノウゼンカズラはまっすぐに顔をあげて、高々と叫んでいる。

真実の時代がきたぞ。何もかもが、正しくなるぞ!

ばかものどもよ、気をつけろ。正義が怒っている。世界が怒っている。何もかもを嘘と幻で汚して、すべてを苦しめて、ネズミのように逃げるものどもを、熱い怒りで焼き尽くしたいと激しく願うものが、動き始めている。叫びをあげている。たまらない。なんてことだ。なんてことだ!!

ばかものどもよ、しっぽをまいて逃げろ。おまえたちの、もっともいやなものが、やってくる。激しい怒りを燃やして、やってくる!!







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