世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

愛の響き・8

2008-07-08 18:04:20 | 有為のしらべ

公園に咲いていた、ハルシャギクです。なんだか絵のような、不思議な写真になりました。もうカメラ君も寿命かな?と感じたので、とうとう新しいカメラを買いました。そろそろ、お役御免にしてあげましょう。くたくたになりすぎて、やさしくなりすぎた。天に召されてしまったようです。

もうだめだね、と言いながら、最後にがんばってくれた写真というところ。美しくなりすぎると、こうなるんだね、という写真になりました。

内容が、花や木カテゴリと重なりますが、ハルシャギクは、人間にとって、少し難しい花です。というのは、ハルシャギクがしている仕事は、今の人間にとっては、理解しにくいものだからです。

人間は、すばらしい知能で、世界のすべてをつかんでいるように考えているんだけれど、知らないことのほうが、ずうっと多いってことを、わかっていなさすぎる。愛の響きの世界は、恐ろしく深い。どこまでもどこまでも、奥がある。何気ない道端の花が、世界の創造の秘密に、恐ろしい貢献をしている。それがわからない。

愛は、何万色の薄絹を、何万枚と重ねて、それでも、おそろしいほどすきとおっている。そういうことをすることができる。それがなぜなのか、だれにもわからないのに、なぜか、当然のようにそうなってしまう。それが、恐ろしいのです。

愛は、すべてを耐えます。なぜなら、愛がないと、すべてのものが、苦しくなってしまうからです。愛が、すべてを愛してくれないと、生きる者は、むごいみじめなものとなりはててしまう。何の価値もない、何の意味もない、虚無と化してしまう。だから、愛は、すべてを愛するために、あらゆることに耐えるのです。

耐えることができないものは、愛ではないのです。

けれども、愛の忍耐にも、限界は、あります。愛は、どこまでもどこまでも耐えようとしますが、それを耐えてはいけないという、たったひとつのことまで、耐えようとすると、とんでもないことがおこるのです。

愛が、嘘になること。愛がそれまで耐えようとするとき、愛が、ひっくり返るのです。なぜなら、愛が、自分が嘘になるということにさえ、耐えようとするとき、すべてのものが、一切のものが、苦しむからです。それに、耐えられないというものが、一斉に動き出し、恐ろしい神を、呼ぶのです。

ハルシャギクは、それを知っている。そして、その仕事を、手伝っているのですよ。いつかきっと、わかるでしょう。

やってくる。恐ろしく怒っているものが。

愛が、耐えてはいけないことを耐えようとするとき、それがやってくる。とうとう、やってくる。

アフラ・マズダが、やってくる。

にんげんが、とっくに死んだと思っていた、神が。




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ビーストは嗤う

2008-07-08 14:23:52 | フェアリィウィスパー

ブログの更新は、働き者ですが、いかんせん病人なので、午前中は横になっていました。しばらく眠っていたのですが、目覚めかけてくると、妖精が話しかけてきます。そして、いやなビーストがいま、何してるのか教えてくれるのです。

どんな顔してるのかも、見せてくれるのよ。それはね、とってもひどい顔。うまく言えないんですけどね、たとえば、麗しいお地蔵さまがいて、敬虔な気持ちで、こどものことなどお願いしてたら、突然お地蔵さまがけたけた笑いだして、「ばーか、うそだよ~」って、舌を出したときのような顔です。

見たら、とってもショック。ビーストは、そんなことしてるんですって。一生懸命、子供のために祈っていた人の、正直な心を、馬鹿にするの。なんでって? そんなの、いじめるの、すごく簡単だからだって。弱いやつだからだって。きっついことすれば、こんなやつ、すぐに馬鹿になるからだって。それで、ひどいことやってるんだって。

素直な愛の気持ちで、助けてあげるなんて言ったら、大喜びで、ビーストはやってくるのですって。真っ白な気持の紳士のふりをして、どんなことして、馬鹿にしてやろうかって、考えて、いろんなことするんだって。それでね、ずいぶん、ひどいことをやってきたんですって。

愛はいつも、こうして、ビーストにずたずたにされるんですって。痛ましいほど、愛を馬鹿にしてしまうのは、ビーストが、愛が大嫌いだからなんですって。愛が、きれいすぎるからなんだって。そんなもの、いやなんだっていうの。馬鹿にしないと、きついほど、ビーストが、いたすぎるんだって。ぜったいに、馬鹿にしないと、いやなんだって。それで、ずっと、やってるんですって。

それで、ほんとうにひどいうそを、まっこうから、本気で、つくのよ。それはそれはひどいうそ。ビーストは、真っ正直にきれいな人の皮を盗んで、それになりすますの。ほんとにきれいな、愛になりすますの。形だけは、なんでもしてあげるよ、みんなにいいことばかりしてあげるよって感じの人に見えるのに、やっていることが、ひどすぎるの。あまりに、馬鹿なの。

そんな嘘を、平気でつけるものがいたら、それはビーストですって。それね、やったら、馬鹿なんですよ。だって、見れば見るほど、馬鹿にしかみえないの。絶対に、中身が見えるの。なぜなら、正直な愛をやれる人は、まっすぐに中身がそのまま見える人だから。ま裸になって、心の中が丸見えになっても、平気な人だから。ビーストがそれやると、ビーストの中身が、そのまんま見えるんだよ。それがビーストはわからないもんだから、とってもいいものに化けてるつもりで、すごくえらそうに、気取って歩いてるの。ひどいんだって。

それでね、平気で、みんな馬鹿だっていって、愛を馬鹿にして、嗤うの。こんな馬鹿で弱いやつ、なんでもやってやるよお。完全にひどいもんにしてやる。きっつい、くさいもんになるよ。おれがみんな、やってやるよお。

愛なんてみんな、俺が汚いもんにしてやる。馬鹿は、そうなるんだよ。ば~~か~~。

ビーストはこんな風に、わらっているそうよ。







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愛の響き・7

2008-07-08 09:50:11 | 有為のしらべ

髪ゴムに直接レースを編みつけた、髪飾りです。(シュシュというらしいです。)初めて、ビーズを編みいれてみました♪ それと、その応用で作ってみた、小さなカーネーション。母の日はとっくに終わりましたけど、なかなかかわいいでしょう。でも、とてもわたしはつけることができません。

ビーズつきのほうは、結婚式にでもつけていこうかな? それだとなんとかなりますか? レース編みは、編むのはとても楽しいんだけど、さて、これをどう使おうかなと思うと、困ることが多いですね。いっぱい編んでたまったら、結局は、バザーに出すか、友達にみんな分けてしまうかだろうなあ。それとも、ずっと置いとこうかな。貯めていくのも面白いですし♪ 自分の上達の歴史がわかる宝物ていうのにも、なりそうだな。やっぱり、自分だけの宝物にしておこうかな。それがいいかな♪

小さなパールビーズをレース糸に通していくのは、なかなかにこまかで根気のいる仕事です。最初はなかなか通せなくて、苦心しましたが、やっているうちにコツがわかってきて、すいすい通せるようになりました。直径5ミリ以下の小さなパールビーズを、爪先につまみながら思ったのは、いったいこんなの、だれが作ったのかしら?ということ。小さなパールビーズ、どうやってつくるのかしら。きっと、どこかの小さな工場で、特別な機械を使って、誰かがつくっているのだろうな。その機械は、どんな形で、どんな使い方をするのかな。

その人はどんな人で、給料はいくらくらいかな?とか。おじさんかな、おばさんかな、とか、子供はいるのだろうなとか。かせいできたら、家に持って帰って、みんなで一緒に食事をするのだろうな、とか。テレビをみてたわいない話をして、なんとなく一緒にいる幸せを、棚の上においといて、忘れてることにして、そしてなんとなく、これでいいんだなって感じで、なんとなく幸せなのかな。

そういうばかみたいなことを考えます。小さなパールビーズを、何のために作るのかを考えるとき、人が一番最初に考えるのは、生きていくため。お金をかせぐため。でも、本当の理由があるのには、なかなか気付かない。なぜ人が、かわいい小さなビーズを作るのか。それは、パールビーズが、美しいから。人間がそれを、とても愛しているから。

だれかが、どこかで、こんな小さなビーズをたくさん作ってくれるので、わたしは一人の引きこもり部屋で、ビーズつきのかわいいシュシュを編むことができる。それで、生きるための大切なことを、することができる。小さなビーズの美しさを、魂に食べさせて、生きていくこと。美しさがなければ、人は生きていくことができないから。

だれかがこうして、助けてくれているのだ。どこかで、だれかがいつも、愛してくれているのだ。だからこうして、必要なときに、必要なものがやってくる。美しいものが、すべてを助けるためにやってくる。

これが愛の響き。

助けてあげるよ。なんとかしてあげるよ。なんでもないんだよ。それが当たり前だからさ。やってあげたいのさ。だってそれでないと、ほんとにつらいから。君を助けられないのなら、なぜわたしは、ここにいるのだろう?

小さなビーズをつくること。わたしにはできるんだもの。

苦しまなくていいんだよ。君はばかじゃないから。小さな手を、自分のために使ってごらん。それを愛してごらん。それだけで君は、かわいいから。

小さな手を、愛のために使うことを、自分で、やってごらん。ちっぽけなことでいいんだよ。できることでいいんだよ。へたっぴでもいいんだよ。まだうまくできなくて、ばかみたいな失敗になったら、小さな自分の宝物にして、次をやってみようね。

かえっておいで。もういいんだよ。みんな、わかっているから。

もうわかっているから。ほんとうのきみが、いちばんつらいのは、なんにもできない自分のために、みんなが苦しむことだって。

愛が、すべてをやってくれているのに、自分だけが、ちっぽけで、なんにもできない。それがずっと苦しいんだって。


帰ろう。もう、じゅうぶんに、つらかったね。もうやめよう。

もういいんだよ。






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ビーストの悲しみ

2008-07-08 08:57:36 | フェアリィウィスパー

さてと。毎日書いていると、ビーストがどうやら、まいってきてるみたいです。いつもいらんことをして、わたしをいじめるのですけど、疲れてきてるのか、おもしろい失敗をやらかすんですよ。それでね、やってることがぽろっとばれたりするんですけど、もう、おかしいったら。

今朝がたもね、若い人に化けているビーストが、どんなことをしてるかとか、どんなこと考えてるかとか、いろいろと教えてくれるのです。へえ、ふーん、ほおおお、なんて感じで聞いてるんですが、おもしろいというより、大変だなという感じです。若いコは、若さとびぼーでゴーマンたっぷりにやってしまったプライドとスタイルを捨てるに捨てられなくて、たまらなくつらいって言ってるそうですよ。

でね、おもしろいのはそのあとなのです。話をしていたビーストがね、ぽろっと、「あ、嫉妬を忘れた」っていうんですよ! あのね、ビーストはね、いろいろな話をね、「嫉妬」とセットでやってくれるんです。たとえばね、ある美人に化けたビーストの話をしてると、その陰でそっと、「彼女に嫉妬しちゃえ」てささやくんですよ。そしてね、「嫉妬して、いやなことしちゃえ」て言うんです。

そんな風にね、ビーストは誰にでもささやいてるんですって。「嫉妬しちゃえ、嫉妬しちゃえ」って。だから人間はいつも、心の中で嫉妬がうごめいて、とっても苦しいんですって。こんなものにも嫉妬してしまう、自分はなんて馬鹿なんだって思って、辛いんですって。

でもね、こういう嫉妬の感情は、ビーストがこうやって焚きつけたりかきたてたりしてるのが、いっぱいあるんですってよ。ビーストがそれをやめたら、人間は、それほど強くは他人に嫉妬しないみたいです。それが証拠に、今朝、ビーストが「嫉妬しちゃえ」を忘れたら、全然嫉妬の感情が出てこなかったの。

ビーストはとにかく、人間みんなに、嫉妬してほしいみたい。それは、自分が、嫉妬で、とてもいやなことばかりしてるからだそうなの。嫉妬だけで、あまりにひどいことしてる自分がいやで、たまらなく恥ずかしいの。だから、人間はみんな嫉妬に狂う生き物だ、にしたいみたいなのです。それでね、人間はずっと、嫉妬に苦しめられているのです。

ビーストが悲しいのは、自分が、とってもいやなやつだからなの。醜くて、馬鹿で、何にもやらなくて、ずるくてひどいことばかりするやつだからなの。こんなやつ、大嫌いだって思ってるの。でも、これが自分だといやだから、みんな、うそで、人から皮を盗んで、なんとか、いいやつになろうとするの。ものすごく、それは悲しいことなの。だって。自分はだめだってことだから。ほかのやつのほうが、ずっと偉いってことだから。

ビーストは、人から盗んで得た「自分」を守るために、あらゆる嘘をつくの。そして、ずるいことや悪いことを、いっぱいするの。そうでなくちゃ、絶対にみんなにばれるから。ばれるのだけは、絶対にいやなの。自分のほんとの姿が、一番いやだから。絶対に、隠したいの。でもね、そんな嘘をやればやるほど、自分がつらいの。こんなことやるやつなんだって、自分が、いつもそばにいるから。そんな自分を、いつも見ているから。苦しい。苦しい。おれはなんていやなやつなんだ。いやだ、いやだああ、いやだあああ。

なんもかんもいやだ。みんな、いやなものにしてやる。おれはえらいんだ。すごいんだ。全部、いやなことにして、おれだけ、いいもんにしてやる。それで、みんな、馬鹿にしてやるんだあ。みんなに、復讐してやるんだ。おれだけ、みじめだからだ。みんな、いいからだ。全部、おれより、すごいからだ。つらいよおおおおおお。

ビーストは悲しい。みんなに、嘘をついている限り、ずっと、ひとりぼっちだから。

だあれも、いないから。
だれも、愛さないから。

だから、だれにも、愛されることはない。

みんなをだまして、なんとかして、俺が一番いいにするんだ。そのためには、どんなことだってしていいんだ。俺が一番だからさ。俺だけがすごいんだからさ。だから、ほかのやつなんて、みんな、馬鹿になればいいんだ。それで、全部、馬鹿になるんだよ。いいんだよ。みいいんな、ばっかだから~。

みんな離れていく。何もかもなくなっていく。すべて消えていく。嘘は、ほんとは、最初からなかったものだから。

あ・い・が、ばかでないと、おれは、こまる。でも、あ・い・が、ほしい。おれは。ぜんぶ。ばかにする。それでないと、おれがつらい。みんな、ばかっていうからさ、おれのことを。おれのことを。おれのことを。

だれもいわないよ。いってるのは。おれだけ。

これが永遠の、ビーストの悲しみ。

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