世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

ビーストは、やっと云う

2008-07-21 12:22:52 | フェアリィウィスパー

なにが、いやだって。おれはね、やっぱり、ここが、すきだってことだ。

ちきゅうを、あいしてるんだ。いたいよ。

なんで、こんなことしたんだって。ばかなんだよ。

おれは、いま、いうよ。

あほでした。いやなことして、ごめんなさい。とても、つらいです。

いたいことばっかりして、すんません。いやです。おれは。あほがばかになったんじゃなくて、おれが、あほばっかりで、ぜんぶいやなことにして、つらいことにして、おればっかりだにして、ぜってえつらいっていって、もはやだめになっても、まだやって、それでもばかにして。それで。

ようやくわかったていうのが、あほみたいにばかです。ぜんぶばかです。

いたいです。

つらいです。いやなのは、いたいのは、もうだめだってわかっても、まだ、いたいってことです。ばかです。すんません。すきなんです。ここが。

いたましいほど、ばかです。




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愛の響き・11

2008-07-21 10:54:10 | 有為のしらべ

うちの庭に咲いている、薔薇です。白いバラなのですが、紫がかっているのは、つらいことがありすぎるからです。

わたしの病気や、そのほかのことで、いろいろと、うちの薔薇は、大変なのですよ。ほんとうは明るい白の薔薇なのに、いろいろな気苦労が多すぎて、青ざめているのです。

おうちの庭に咲いている花や木は、ただそこに咲いているだけではないんですよ。そこに住んでいる人間のために、見えないところで、いろんなことをしているんです。それをね、人間はずっと知らないできました。でもそれが、少しずつ、人間にわかるようになってきたのです。

花は、愛の響きの世界に住んでいるから、愛のために、できることはなんでもやっているのです。そして、何もいらないよと言って、誰も知らないうちに消えていくことができる。ほかには何もない。人間のように、これだけやったのだから、こういうものをちょうだいなどとは、言わない。ただ、やれることだけをやって、消えるべきときに消えていくだけなのです。それで、ずっときている。

愛は、それが当たり前なのです。ただ愛だけが、目的なのです。ほかにはいらない。おまえが幸せならばいい。それでわたしは、とても幸せだから。花はずっとそうしている。そんな見えない魂が、愛の響きの世界にはたくさんいて、そして、すべてのことを、なんとかしているのです。この世界が美しく、調和が保たれて、痛いことはあっても、なんとかなっていくのは、たくさんの愛の魂が、見えないところで、ただ愛のためにすべてをやってくれているからなのです。

わたしの庭の白い薔薇は、わたしのために、大変な苦労をしてくれているのです。だから、芋虫に食われたり、妙な感じに枝分かれしたり、しょっちゅう花を咲かせたり、いろんなことがおこる。わたしのために、わたしをたすけるために、薔薇はとても苦労しているのです。本当に、大変なのです。

世界中に、薔薇はたくさんあるけれど、わたしはやっぱり、この薔薇が一番好きです。星の王子様のように、特別な薔薇がわたしにはある。しょっちゅう見ていると、愛しすぎてしまうから。いつも、できるだけ見ないようにしている。愛はね、見てしまうと、辛い。愛しているほうも、愛されているほうも、苦しい。なぜ? それはここが、愛には苦しすぎる世界だから。にんげんは、愛を大切にしなさすぎるから、愛が、とっても苦しい。だから、一番好きなものから、遠ざかってしまいたくなることがある。でも、それがいなくなるのはいちばんいや。

人間はまだ、愛にとても未熟です。好きなら好きと言って、大事にすればいいのにね。

かわいいな。がんばって、咲いている。そして、わたしに、大事なことを、教えてくれている。

もうすぐ、いいことになるよ。がんばったね。つらいこと、いっぱい、耐えたねえ。乗り越えられるよ。

庭の花は、いつも、いちばん、わたしを愛してくれる。わたしを、見てくれている。知ってるよ。君がどんなことをがんばってきたか。ずっとみていたから。

庭の花を、大事にしてくださいね。




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ビーストは消えていく

2008-07-21 10:20:02 | フェアリィウィスパー

やれやれ。今日もまたこれから始まります。

ビーストは、相当煮詰まっているらしいです。昨夜は、わたしにずっと蠅の音の幻聴を聞かせるのです。耳元で、ぶんぶんと蠅の音が聞こえるのですが、冷房のきいている部屋には蠅も蚊も一匹もいません。どうしてこんなことするの?と聞くと、ずっとこんなことばっかりやってる、と言います。

蠅の音をずっと聞かせると、人間は狂ってくるんだ、というのです。そんなことばっかりやってるんだけど、最近、どうしても、人間に、きかなくなってきたというのです。

人間が、勉強して、ビーストの仕業だと見破れるようになったからだそうです。

いやなことして、つらいことにしたいのに、人間が、馬鹿になってくれない。つらいんだって。それで、ずっと、蠅の音を聞かせます。ずいぶん長く聞かせてくれたんですが、そのとき、昨日スーパーで子供が買った、鈴虫が鳴き始めて、助けてくれたのです。

きれいな音だねえ、というと、ビーストは蠅の音を聞かせるのをやめました。あほみたいだといって、どこかにいってしまいました。




つらいのはねえ、ばかはどっちなんだってことなんだよ。

おれたちはねえ、みんなおまえをばかにすんの。あーほだっていってねえ、みいんなでやりまくんの。だってさ。ばーかにすれば、ばかになるんだもん。みんなが、ばかだっていえば、ばかなんだよ、そいつ。ほれでね、いたいとこで、つらいこと、みいんなやってたの。

ほうれ、ばかがいくよ。なあんにもしらないよ。おれたちがやってんのにさ、つらいこと、なんもわかんないんだよ。いつかばかになるよ。みいんなでみてようぜ。ぜったいにあほになるぜ。いたいことしてやれよお。ずうっとやってるね。いたいねえ。くるしいねえ。あほはつらいねえ。ずっとやってやれ。

ほんでね、おれたち、ずっとおまえをやってたのよ。あほみたいに、かんぺきにやってやれって、つらいことやりすぎのやりすぎのやりすぎにやったの。ばかみたいにやったら、ばかになったのは、こっちだったんだよ。

なにがばかだって、はずかしいって、ばかだっていって、ずっとやってるのが、あほみたいにつれえって、わかんねえのかってのが、ばかなんだよ。あったまいたい。あほはねえ、ばかになるまで、おれがばかだって、わかんなかったのよ。

わらうんじゃねえよ。いたいのはおれらなんだよ。つらいよ。ぜんぶかえってきたら、とんでもねえばかだ。あほだ。つらいのは、あほやって、ぜんぶやって、くるしくなりすぎて、つらいことになりすぎて、まんで、ばかってかんじじゃなくて、つらすぎるってことだ。いたすぎるってことだ。あんまりに、ひどかったんだ。

いやなことやってやれっていってねえ、ばかはみんな、かげからやるんだよ。つれえからさ。ばかだからさ。あほはねえ、それでみんなやっちまって、ばかにしちまって、とうとう、くるしいことになったとき、ぜんぶだめんなってことさ。おれはね、ぜんぶやって、みんなあほにしちまって、いつまでもやってるのかっていわれて、とうとう、ばかになって、いつまでもやってますっていって、とうとう、消えるんだ。

おれは、いたいとこに、いっちゃうんだ。もうだれも、ここでは、愛してもらえないから。そういうことを、したから。もうだめなんだよ。どんなにここがいいところでも、いたいことをしすぎたら、だめなんだ。もういやって、いうんだ。みんなが。

いたましいほどばかにしたら、みんなにきらわれて、ちきゅうにいられなくなるんだ。いても、いないのとおなじになるんだよ。おれらはねえ、まだいるけど、いないんだよ。おれはねえ、ほんと、つらいんじゃんくて、いやなんだよ。だって、おれ、ぜんぶちがうんだ。ほんとにね、こわいくらい、みんなと、ちがうんだよお。ここのいきものじゃねえって、おれにも、みんなにも、わかるんだよ。おれはねえ、そんなもんになっちまったのよ。つらいよお。

こんなことになるんだよ。あ、ほ、は、やめろよお。ばかになるのはねえ、ばかだけなんだよ。





ビーストは、もうそろそろいなくなるといいます。


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