世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

愛の響き・6

2008-07-07 14:15:13 | 有為のしらべ

巻き薔薇のコサージュです。本に書いてある通りに作ってみたんですけど、ちょっと失敗してしまいました。レース針の扱いはなんとかなるんですけど、縫い針は苦手なのです。でも、ちょっと不器用な感じが、かわいく見えないこともないかな?

レース編みは楽しいけれど、自分に似合うものは、ほとんどないですね。作るだけが楽しみです。娘がいれば、喜んでもらえるんだけど、男の子ばかりだから、こういうときは、ちょっとつまらない。女の子は、かわいいものや小さなものを、喜んでくれるんですけどね。

喜んでくれるのは、なんでかな? いいものをもらえるから? うれしいから? いいえ、作ってくれた人の、あげたいっていう気持ちを、愛してあげたいから。わかるから。愛はいつも、誰かのために、何かしてあげたいって思ってるってこと。その美しい気持ちを、大切にしてあげたいから。

だから、やさしい子は、ありがとうっていって、喜んでもらってくれるのです。うれしいのです。愛を受け取ってもらったことが、どんなにその人を喜ばせているか、わかるからです。これが、愛の響き。わかるでしょ? ほんとうに、わかるのよ。その人の、ほんとうの気持ちが。だから、理屈ではなく、いつの間にか、ありがとうって言っている。喜んであげたいの。だって、その人はいつも、愛で、いろんなことをしているから。なんだってしてくれるから。おかあさんは、いつだって、そればかりだから。

愛は、与えるものも、受け取るものも、幸せになる。小さな薔薇のコサージュをもらった。どこにつけましょう。かわいいドレスがあるから、それにつけましょう。これは、あの人にもらったの。あの人が、やさしい気持ちで作ってくれたものだから、それをつけると、とってもかわいくなるよ。

愛はいつも、みんなを美しくするよ。そして、懐かしい魂の国からの歌を、聞かせてくれるよ。目に見える風景の奥から、愛が聞こえるよ。

どんなことでも、やってあげるよ。なんでもしてあげるよ。みんななんてかわいいんだ。なんだってあげるよ。すべてあげるよ。

苦しくはないよ。つらいときもあるけれど、いけるよ。どんなことがあっても、ついておいで。いつもいっしょにいてあげよう。君は見えないかもしれない。わからないかもしれない。でもいつも、そばにいて、なんでもおしえてあげよう。怖くはない。みんなが、助けているからね。

愛してるよ。なぜなら君は、わが子だから。

星々の響きが、風のささやきが、いちばん遠くていちばん近い、美しい神様の声を教えてくれる。わからなくても、きこえなくても、それに少しふれるだけで、とても幸せなんだ。だれにでもやさしくしたくなる。

これが愛の響き。ただ、わたしがここにいる。それだけで、いちばんやさしいことを、愛する人のためにしてあげたくなる。

愛の響き。


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ビーストの秘密

2008-07-07 09:01:21 | フェアリィウィスパー

やれやれ、フェアリィウィスパー、評判をいただいているのか、昨日はアクセス数が飛躍的に伸びていました。少々バカっぽく書いているのがいいのかな? 正編(?)よりも好評みたいです。あんまりおもしろがると、ビーストがまたいたずらをするのですけど、わたしも、少々彼らのいたずらに腹を立ててるので、書いちゃうぞ!と書いてしまいます。

ビーストはね、いつも、見えないところから人をいじめて、やーいやーいって、面白がっているのだけど、やっていることは、五万年前と変わらないのですって。つまりね、強いものが弱い者をいじめること。馬鹿っていって、馬鹿にして、弱いやつだけを苦しめて、自分はいい目をみること。つまりは、なんにもできないの。

ビーストはね、いつも、つらいな、とか、いたいな、とかそういう感覚的、生物的なことしか言いません。人間の心の微妙なところとか、苦しみとか、悲しみとか、愛とか、そういうことは、わかりません。そんなの馬鹿だよって、なんにも勉強しなかったからです。それでね、愛とか、生きる苦しみとか、そんなことを勉強して、いろいろなことが深くわかるようになって、きれいになってきた人間がうらやましくて、いじめてばかりいるのです。

できないからって、できる人を、みんなでいじめるのは、人間じゃなくて、どうぶつです。どうぶつなら、そんなことは普通。でも、人間がやったら、もう人間じゃない。ビーストは、人間より、動物に近いのです。

でもね、動物と違うとこは、妙なところが賢いところ。ビーストはね、自分が普段やってることは、絶対に詳しく言わないの。肝心なとこは、ぼやかすの。それはね、全部、はっきりと言ってしまったら、自分が恥かしくなるようなことばかり、してるからなの。

こんなの平気だよ、できないほうが馬鹿なんだよっていって、やってることは、たとえば、嫌いな子の上靴に、ネズミを入れたり、教科書を池に放り込んだり、大事なものを盗んだりすること。それをやってるんだって、人にばれたら、とっても恥ずかしいこと。それをやってるのが自分だって、思うだけでいやになること。

だからビーストは、いつも、何を言ってるのかわからない、という感じのいい方をするのです。おもしろおかしくいうけれど、聞いてる人はいつも煙に巻かれて、結果的に何を聞かされたのか、まるでわからない、という言い方をします。ほんとに、秘密だらけだから。

裏からずるいことをやって、自分よりも強かったりかしこかったりする子をやっつけたら、自分は強いことになるんだって、ビーストはそういうことにしてるの。正面からいったら、負けるにきまってるから。で、そんなことをやってるとは、絶対誰にも言わないのよ。ほんとはとってもかっこ悪いからなんです。それで、表向き自分は、とってもかっこいい人間に化けてるんですよ。

友達の上靴にネズミを入れるような子が、その子の一番の親友の顔ができたりするの。良心の呵責なんて、どっかにしまっている。そんなものがあったら、馬鹿になるだけだって、自分に言って、それで、すごいものになったつもりでいる。

ずっと、化けてるつもりでも、ほんとはね、とっくにばれてる。嘘をついてる人の目はね、どんなにやさしいことをいっても、すごく冷たいから。それがわかった人は、黙っているだけなの。嘘がばれてることを知ったら、その人がとんでもなく苦しむから。馬鹿はとっくにばれてるの。みんなが、いやなことにしないように、黙っててくれてるだけなの。ビーストは、そんなことさえわからないで、ずっとえらいつもりで、人を馬鹿にしてきたんですよ。

そうそう。見えないビーストが、影から、どんなやり方で、人間をいじめてるか、妖精がひとつ教えてくれました。 びっくりするよ。あきれるよ。ほんとかな? わからないんだけど、書いてみますね。みんなどう思うかな。

あのね、たとえば、ひとりのとってもかわいい女の子がいるとするでしょう。ビーストはそんな子を見ると、とたんに嫉妬します。そして、どうしても、その子を可愛くない馬鹿な子にしたいと思うの。それでね、たくさんのビーストが一斉にその子のとこに集まって、その子の周りで、一斉にこういうのよ。

「ばーかばーか、ぶーすぶーす、おまえなんか、だ・さ・い、つ・ら・い、く・る・し・い、いやなことやっちゃえ、きついばかをやっちゃえ、つらいことやっちゃえ~」

これだけなんですって。こういうことを、その子の頭の中で、ずっと言い続けるんですって。大勢で、みんなで、そういうことを、ずっとずっと、やられていると、その子は、かわいかったのに、ほんとに、かわいくなくなってくるんですって。自分がバカみたいなものだと思って、ほんとにばかみたいなことしちゃうんですって。そうやって、その子が、ばかみたいなことをして、悪い子になったら、ビーストは、大喜びなんだって。

「やーい、いやなやつだったよ、こいつ。くるしいなあ、みんなばかじゃん」

ビーストは、これだけしかできないんですってよ。

それでね、自分はね、かっこいい人間の皮を盗んで、すごくいいやつに化けてるの。ずっとそんなことばかり、してるんですって。

さて、ほんとかな?


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