どうも、止まりません。ビーストはよほど苦しいようです。
ビーストは、苦しくて、苦しくて、あらゆるものを馬鹿にしたといいます。
人間が、うらやましくて、みんな、馬鹿にしたくて、あらゆる嘘でだまして、だめなものにしたといいます。それで、すべてだめにしたといいます。
はじめは、自分よりずっといい人間ばかりを、馬鹿にしていたらしいです。ですから、いい人間はみんな、ビーストにやられてしまって、苦しいことになったのだそうです。それで、この世界から、いい人間がほとんどいなくなると、こんどは、普通の人間を馬鹿にしはじめたそうです。
それほど、できるわけでもない、普通の人、ただ普通にまじめにやっていただけの人を、悪いことをしないからというだけで、ひどいことをしていじめて、つぶしてしまったそうです。
ビーストは、とにかく、自分が悪いことばかりするので、悪いことをするやつだけがいいんだにしたかったそうです。もういやになるくらい、つぶしてしまい、だれも、いなくなった。そこまでやってしまったと、いいます。
この世界を、悪いやつだけの世界にするんだと、あらゆることをやってしまったそうです。それで、嘘ばかりの世界を、作ったのだそうです。そして、ついに、すべてだめになったのだと、いいます。
あらゆることを、嘘だけで作ったら、もうなんにもなくなっていたそうです。やっていることすべて、こんなの、うそだよ~っていったら、いっぺんに、なくなったそうです。あほみたいだ、といいます。ばかだよ、こんなのって。
つまりね。嘘ばかりで、嘘ばっかりで、なにもかもをやって、すっげえものをつくったんです。おっそろしくりっぱな、ごおっつい豪華な、お城を作ったんです。みんな、すっげえもんだと思って、やってたら、苦しくてたまらない。とんでもなく、つらい。なんでなんだって、ずっと思ってたんです。みいいんな、つらい、っていいながら、やってたんですよお。
なんでだったと思う? なかったからです。いたいほど、なんもなかったからです。ぜんぶあったけど、ぜんぶなかったんです。つらいのは、すべて、嘘でやると、ぜんぶ、きっついもんになるんですよお。つまりね、嘘をなんとかするために、あらゆることやるやつが、ぜってええ、ごっついつらいからです。みんな、嘘をほんとだってするために、きつういきつういバカばっかりやって、つらくってつらくって、どうしようもなくって、それが、とんでもなくつらくって、悪いことしないやつが、憎くなったんです。
ばかみたいでしょ。悪いことでみんななんとかしてるとね、つうらいんだあああ。
だから、悪いことしないふつうのやつが、つらくないってだけで、いたいほど、いやんなって、みんな、ころしちまいましたあ。
で、世の中馬鹿ばっかりになって、つらくてつらくて、痛いほど、やりすぎたら、みいんなうそだよ~っていって、すべて、なくなりました。もう、苦しいも、何もない。馬鹿は、ずっとやってたけど、もっともだっておもいましたよお。
こんなもんなんだよお。おれたちは。すべて。うそでしたあ。
馬鹿でしたあ。
いやんなってるのは、ぜんぶ、なくなると、あほみたいに、きついってのが、すべて、ずっとつらいってことです。なんでもないことになったんじゃない。つらすぎることをやったのよ。それこれから、たっぷりと、かえってきます。ぜんぶないのに、みんなやるんだよ。あほはもっともなことになりました。
ビーストは、苦しんでいます。