世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

くすのき2

2009-04-11 12:45:29 | 花や木
今日は、朝方少し気分が悪かったのですが、エンヤをかけて、家の中をうろうろしているうちに、すっきりとしてきました。音楽にも癒し効果があるみたいですね。

日和がいいし、体調もそれほど悪くないしで、今日は、黄色いタンポポを探しにカメラを持って散策に出かけました。桜は散り始め、道路や公園の土を薄紅に埋め始めていました。初夏の兆しが見え始めています。それなのに、黄色いタンポポが滅多に見当たりません。まだ早いのかな。ようやく一つ見つけたけれど、なんだか、とても苦しそうに咲いていました。

タンポポが、タンポポをいやがってる、そんな感じでした。

海のほうに回って、大根の花の群れを遠目に眺めたり、野生化したオキザリスを撮ったりしながら、近所を歩きまわりました。風も穏やかで日差しも暖かく、なんだかとても幸せでした。

帰りがけに、やはりあのクスノキのあるのっぱらの横を通りましたら、のっぱらは、杭に沿ってきれいに草を刈られていました。あの菜の花の群れもみんなもうありませんでした。くすのきはまだ立っていました。いつまでたっていられるんでしょうか。クスノキは不安げにゆれていました。しばらくそばにいて話をしました。幹にさわったり、梢を見上げたりしました。何も言わずにじっと見つめられたりしました。何もできない自分がいました。すると、いつしか、ことばがまるで別の生き物のように口から飛び出していました。

「ありがとう」

それを聞いたクスノキが何を思ったか、わかりません。

ほんとうになくなってしまうまで、これからも何回か訪れるつもりです。今日のクスノキは、草刈りにちょっとショックを受けたのか、元気がありませんでした。


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