ナイフは理論の象徴だといいます。物事を切り分けて分析したり分配したりするもの。この世界を賢く強く生きて行くために必要な理性と知恵の象徴です。だから、夢でナイフや剣を持ったり、もらったりしている時は、自分がそんな知恵を必要としているか、誰かから知恵をもらえるってことを暗示しているそうです。(もちろん単に人を傷つける武器としての意味もあります。)
そう考えてみると、英雄物語で勇者が剣を持って龍を退治したりすることは、結構象徴的だったりするわけです。日本神話でスサノヲがヤマタノヲロチのしっぽを切った時、剣を得たというのがありますよね。それを種野流に考察すると、現在生きている自分の内部に、龍のような懊悩がとぐろをまいていて、それに挑んだ勇者(自分)が龍(懊悩)に挑んでそれを殺した(解決した)時に、初めて人生の深い知恵を得る、という分析もできるわけです。なんて言うのは簡単だけど、龍に立ち向かうのは、すっごく勇気がいる事。
人生もけっこう冒険ファンタジーですね。
(2002年7月ちこり25号、ミニエッセイ)