リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

裁判員制度

2008年06月23日 09時46分41秒 | ローカルネタ
来年の5月から裁判員制度というのが始まるそうですが、いろいろな解説書物を読んでみるとどうも大変困ったもののように思えます。導入の話を聞いて、最初プロがやっている裁判を素人の私ができるんだろうかということでした。高い給料をもらうことができる専門家がやっている仕事を一般ピープルがそもそもできるのかな、という疑問です。一般ピープルではできないから、彼らがやってるんではないでしょうかねぇ。

裁判員制度では扱うのは一審だけですが、重大な裁判を主に扱うことになるようです。そんなのますますイヤですねぇ。それに例えば、10月にリサイタルを控えているのに、9月の裁判の裁判員になりなさい、と言われたときに正式な形で辞退できるんでしょうか。お前のようなちっぽけなリサイタルでは辞退の事由にあたらん、なんていわれたら困ります。

先日ある新聞に次のような記事がありました:

「精神的ショックを受けた裁判員を対象に、24時間態勢の無料電話相談窓口や心理カウンセラーによる面談を受けられる「心のケア・プログラム」を設ける方針を決めた。」

これって何か変ですよね。国民に精神的ショックを与える可能性があるのが分かってるのなら、最初からこんな制度やっちゃぁいかんです。重大な裁判を扱うのですから、どぎつい犯罪の証拠写真なんかも見なければならないでしょうけど、何がかなしくてそういうものを見なければいかんのでしょうかね。普通そういうものを見るのは誰でもイヤですよね。

それに判決を出すのに、当然過去のいろいろな判例の流れやバランスも踏まえていなければならないはずですが、素人にはそういうことは不可能です。そのための専門職なんですよ、裁判官は。

この裁判員制度を行うというのを決めたのは、小泉内閣のときでもう数年も前のことです。この国のものごとの決定によくありがちなんですが、一部の熱心な人たちに押し切られあまり議論せずに決定しまったようで、最近になっていろいろ問題点が指摘され、それに対する対処を出してきています。そういうことは決定する前に議論し、無理っぽいのなら決めてはいけませんです。

恐らく大多数の国民はこんな制度は困ると思っていると思うんですが、なんでそれがちっとも声にならんのでしょう。来年から実施されても問題点噴出で、何年か後にはぽしゃってしまうのがオチだと思うんですが。