リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ガット弦到着

2012年10月29日 12時03分44秒 | 音楽系
10月11日に米国ガムート社に発注しましたガット弦がようやく到着しました。23日に発送した旨のメイルが届いていましたので、もうぼちぼちだと思っていました。今回は18日かかったので、いつもよりは日数がかかりました。



今回は結構沢山注文したので、ひょっとして関税がかかるかと思いましたが、かかりませんでした。なんかの弾み?でかかるときもあるんですが、どういう基準でかかるんでしょうね?スイスにいたときも国外からものを買ったときは関税がかかったりかからなかったりでしたが、スイス当局の方がよく働いていた感じはします。玄関のピンポンで下まで降りていくと、郵便のおじさんがコンピュータのパネルをもって待ち構えています。関税を払って、このパネルにサインしろということです。日本の場合受領時ははまだ手書きサインですから、スイスポストの方が電子化は進んでいるわけですね。

今回の注文分は、バロック・リュート用に加えて、ルネサンス・リュート用も注文しました。バロックに張っている1、2コース用の弦は多少ばらつきはあるものの(0.44ミリの弦に関してはいつも5週間もつわけではない)まあまあ安定して使えています。弦の精度は、合成樹脂弦に比べるとはるかによく、振動不良からくる音程の揺れは非常に少ないです。合成樹脂弦の場合は、例えば1弦用の細い0.42とか0.45の弦は時としていい弦を選び出すのに8本くらいとっかえひっかえやらなくてはいけないときもありましたから、その点においてはガムート社のビーフガット弦はありがたいです。

合成樹脂弦はガット弦とくらべると全く話にならない、なんておっしゃる人がときどきいますが、それってひょっとして合成樹脂弦の精度不良の弦と比較しているのでは、という感じもします。なにせ精度不良の合成樹脂弦は非常に多いですからそうおっしゃるのも無理はないと思いますが、きちんとした精度が出ている合成樹脂弦は、ガット弦と比べてそんなにひどいものではないと思いますよ。