リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

バッハ作曲組曲ホ短調BWV996その後

2014年01月07日 14時12分53秒 | 音楽系
年末に996番について書きましたが、その後全曲スコルダトゥーラによるタブを作り運指も施しました。運指とポジションはまだ検討の余地はありますが、何回か弾いてみてほぼ確定に近いところまで来ました。

私のアレンジはリュート曲としてはもちろん「超」難しい部類に入りますが、十分プレイヤブルです。1か所だけバスのオクターブ弦に頼ったところがありますが(この方法はできるだけ避けたいところです)それ以外はすべてオリジナルの通りの音の高さと和音を出すことが出来ます。

このスコルダトゥーラの威力は相当なものですねぇ。ニ短調調弦よりこの調弦の方が通奏低音も弾きやすい感じがします。ニ短調調弦だと1コースを和音の構成音として使いにくいことがよくあり、どうしても使う頻度が減りがちです。早い話、1コースみたいいらんという感じです。1コースなしのドイツ・テオルボの調弦法はこうした事情も反映しているのでしょう。もちろん1コースの弦が切れやすいというのが一番大きな理由でしょうが。

このスコルダトゥーラでの通底ぜひやってみたいですが、慣れるまでが結構怖そうです。ふと魔がさして指がニ短調調弦の音を押さえてしまって・・・考えると恐怖ですねぇ。バスは同じなので、ルネサンス調弦のときみたいにバスの音を間違えるということはありません。ですから意外とすんなり慣れてしまうかも。通底の和音の判断はほぼ瞬間的というより弾く前にしていないといけないので、やはりそのレベルまで行くには1年くらいはこっそりと練習しておいたほうがいいかも。生兵法は怪我のもと。(笑)