リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ノヴェンバーステップス

2014年01月21日 22時59分42秒 | 音楽系
日経新聞の「私の履歴書」、今年から小澤征爾氏ですが、佳境に入ってますね。今日は武満徹のノヴェンバーステップスの委嘱のいきさつなどが書かれていました。

ノヴェンバーステップスはご存じ、尺八と琵琶が共演するオーケストラ作品で、ニューヨークフィルの委嘱で書かれた作品です。でも今日の「履歴書」によると、ニューヨークフィルの当時の指揮者、レナード・バーンスタインは当初黛敏郎に委嘱する予定だったといいます。

小澤征爾が武満作品をバーンスタインに聴かせたところ、彼の気が変わって武満に委嘱先を変更したということらしいですが、小澤の横やりで委嘱先が変わってしまったということなのかな。このことは黛は知っていたのでしょうか。これってもう一般的に知られていることでしょうか。私は寡聞にして知りませんでした。

ノヴェンバーステップスは作曲当時からとても話題になった曲で、トロント交響楽団と小澤征爾、琵琶は鶴田錦史、尺八は横山勝也で録音されています。当時高校生だった私はなけなしの貯金をはたいて2枚組のレコードを買いましたが、ノヴェンバーステップスの部分は1枚目片面のみ。あと残りは延々とメシアンのトランガリラ交響曲が入っていました。そのときは「なんじゃこれ~。インチキや~」と思いました。メシアン抱き合わせ商法ですね。(笑)でも聴かないのはもったいないので聴いていると結構いける曲でした。

そうそう、このレコードのメシアン作品の解説を確か黛敏郎が書いていました。ということは、彼はホントならバーンスタインからの委嘱があったのに・・・ということを知らなかった??そのいきさつを知っていたら、ノヴェンバーステップスがカップリングされているアルバムになんか解説をかくもんか、ってことになりかねません。もっとも黛は貧しかった武満にピアノを贈ったという話がありますから、心が広い方だったのかも。はい、最後は下衆の勘ぐりになってしまいました。(笑)