リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

「小部屋」ニューエントリー

2014年06月10日 14時34分11秒 | 音楽系
HPの「作曲家ナカガワの小部屋に」曲を追加しました。昔作った曲ばかりで恐縮ですが・・・

まず「イルージョン」です。この曲は現在では某市の要職についておられるさるお方から依頼があって作曲した曲です。某市はまぁK市なんですけどね。(笑)その某市の文化的象徴をテーマにした曲を作ってほしいとのご依頼でしたので、私は芭蕉が桑名の地蔵の浜で詠んだという「草の枕に寝あきて、まだほのぐらきうちに、浜のかたに出て、『明ぼのやしら魚しろきこと一寸』」をテーマに曲を作ってみました。その心象を曲にしたつもりなんですがそのお方がお望みの曲とはかけ離れていたようで、結局お蔵入りになりました。もったいないことをしましたねぇ。(笑)

次は演劇のための曲から2曲。私は中学校教員時代は演劇の「座付き作曲家」でしたので、ちょこちょこと曲を作っていました。今回の2曲は「夕鶴のオープニング」と「人形館のメインテーマ『Wanna be a doll』」です。当時勤めていましたT中学校では、生徒、教員を挙げて文化祭の演劇に取り組んでいました。夕鶴はその取り組みの第1弾でした。これが町の文化祭で上演したこともあって大変評判を呼び、何年か取り組むうちにこの演劇に出ることに憧れて中学校に来た(まぁ、公立ですから放って置いてもT中学には入れるんですけど)という生徒もいました。「人形館」のときはオーディションもしたくらいです。

演劇は役者はもとより、大道具小道具、照明、音響、音楽、宣伝などいわば総合芸術ですので、どこか自分に一番ぴったりの仕事を見つけることができます。もっとも全校生徒全員が無理に何かをしなければならないというわけではなく、あくまで希望制でしたが、希望に添えない生徒も出てきました。でもこういうこともあっていいでしょう。昨今のどっかの小学校の演劇みたいに主役がいっぱいいたり、無理矢理なんかの役(たとえば「風」とか「石」の役とか・・・(笑))にはめたりするよりはずっと教育的だと思うんですが。世の中、花ばかりでは成り立ちません。茎も枝も葉っぱも根も土も菌類も水も太陽も風もないといけません。