院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

教育は模倣でよいのだ・その2

2009-03-08 13:54:40 | Weblog
 教育が模倣でよいのは、幼児教育ばかりではない。高校、大学受験、大学の授業も、実は真似でよいのである。と言うよりも、真似しなくては生徒学生の力では何ともならない分野がまだまだ多いのである。

 実は数学は専門の数学者以外には「暗記もの」である。いわんや、他の科目をや。

 たとえば、ある式が出てきたときに、x を t/(t-1) で置き換えれば式が単純化されるなんて、暗記していなければ限られた受験時間に誰が思いつくか?

 フェルマーやコーシーが何年もかけて証明した定理を、誰がその場で証明できるか?だから数学は暗記ものだと言っているのである。

 大学の数学でもそうである。微分方程式の曲芸的な解法なぞ、どこの学生が考え付くか?

 過去の数学者たちが開発した解法をまず暗記して、自分自身で考えるのは、そこから先である。それが研究の過去からの積み重ねを利用するという意味である。

 自分で思ったとおりに、考えたとおりに、というお題目は、こういう積み重ねの暗記を無視した教育方法であり、誤っていると私は思う。