NHKスペシャル「老人漂流」には心を揺さぶられた。
これまで独居老人にスポットが当てられていたが、そこに中高年になった無職の子どもが帰ってくると、もっと絶望的なことになると報道されていた。
NHKはその原因として、非正規労働が飛躍的に増えたことと、同時に日本人の平均給与が年間100万円も下がったことを挙げていた。
だが、NHKはなぜそうなったのかを言わなかった。私はIT化が進んで、読み書きそろばんさえできれば何とかなる時代が終わったことも一因だと思う。
私が幼少時の銀行や郵便局では、通帳の記載もお金の出し入れもすべて手作業だった。腕に黒い袋をはめた職員が、そろばん片手に着けペンで通帳に数字を書きこんでいたのだ。
無職になった中高年の子弟は、むかしなら銀行や郵便局の窓口のようなところに就職できただろう。それが今は完全にコンピュータにとって代わられた。つまり、最低限の読み書きができるだけでは、この先進的な世の中では生きていけない構造になってきたのではないか?(いつも言うことだが、そのうち医者も要らなくなる。下の記事もそう予想している。)
参考:あと10年でなくなる仕事・オックスフォード大発(「現代ビジネス」の記事)
※今日、気にとまった短歌
5000円 母が暮らしに困り果て質屋に入れた結婚指輪 詠み人知らず