(焼きそば三郎の大盛り焼きそば。記事とは関係ありません。ロケットニュースより引用。)
名古屋の大学に入って驚いた。外食がまずいのである。
名古屋の飯がまずいのか、おいしい外食にありつくだけの金がなかったのかは分らない。
学生相手の食堂がいくつもあった。学生運動が盛んだった時代で、乱雑なタテ看にかこまれて、焼きそばを食べた。それが油っ濃くてまずいのだ。油をおかずにして米を食べている猛者もいた。
ラーメンライスというのがあった。ラーメンとご飯を同時に注文して、まず汁でご飯を食べて、そのあとにラーメンを食べるのだ。食が細い私には、とてもマネできなかった。
学食はあった。今のようなオープンカフェのような洒落た学食ではなく、学生のエサ場といった感じで、そこの親父はいつも学生をカタキのように睨んでいた。
出される食事は当然まずい。まず米の質が悪い。おかずは例えばレバーのソテーだったら肝硬変のようなレバーが出された。値段も安い。1セット100円くらいだったか。
だが学食だけが、まずかったわけではない。実習で出向いた県立病院の食堂も似たようなものだった。
演奏のアルバイトで呼ばれた伊豆の3流ホテルの食事もひどかった。木造の宿舎に1週間、滞在した。24時間営業だから常におにぎりが置いてあった。ただし、おかずは梅干しとタクアンだけ。救いはポテトサラダが付いていたことくらい。汁モノはなし。一見、華やかな世界の裏方の苦労を垣間見た。
ある日、友人の下宿に泊まった。友人は朝食にご飯を炊いた。熱々のご飯にイカの塩辛を乗せて食べたときの美味しかったこと。自分で作ればこんなにおいしい食事が安く食べられると思い知った。
※今日の俳句(冬)
冬日燦パンとチーズの朝餉かな
ひとし(豊橋市)