えぬ日和

日々雑記。第二、第四土曜更新を守っているつもり。コラムを書き散らしています。

いまごろ

2008年12月07日 | 読書
最近ちょっといいなぁと思った作家がいます。
作家というか、文体というか。

二葉亭四迷の『平凡』を、いまごろになって
初めて読んだのです。

本がいま手元に無いのですが、
親の次にイヌのポチを思い出すくだりや、
始めからの書き出しからまじめにシニカルな
様子、別にとつとつとしてはいないんですね。

ある意味、とても人を食った物言いを、
文体で語ってしまうひとだと思いました。

『平凡』自体は、話として完全な出来だとは思いません。
『浮雲』を読んでからちゃんとつっこもうかとは思いますが。
ただこのひとの場合、描写がくどくもないし、きれいにしようと
飾る日本語がなくて、それはこのひとの仕事柄からくるもの
かもしれませんが(新聞社にお勤めしていた)、でも、
心が動いているリズムを丁寧に書いている。

文体にはひとめぼれをしました。本人にはまだ惚れていません。
『浮雲』に手をつける前にいろいろ手をつけたいものもありますけど(こら
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