「のだめカンタービレ」で取り上げられ、爆発的に人気が出たという交響曲第7番、ベートーヴェンの9曲の交響曲の中では最後に取り上げる結果になってしまいました。ただし、いちばん後になったのは、とくに深い理由があるわけではなくて、単なる偶然、なりゆきにすぎません。
すでに Linux パソコンに取り込み、Rhythmbox というソフトウェアを用い、Pioneer 社のプリメインアンプ A-01 を通じてフォステクスの FE103 自作箱というスピーカで再生している音を、過日、某寺の若住職に耳敏く聞かれてしまっておりました(*1)。妻いわく「音が大きすぎるのよ」。う~ん、そうかもしれない。小型スピーカでパワーが入らないからと安心しすぎたかも(^o^;)>poripori
1811年から12年にかけて作曲され、1813年12月8日に、ベートーヴェン自身の指揮によりウィーンで初演されたといいますから、ベートーヴェンが40歳頃の作品です。作品番号は92番。初演時には一応の成功をみたらしい。良かったね~、ルードヴィヒ!と思わず祝福したくなるような、明るく活力に満ちた曲です。
楽器編成は、Fl(2), Ob(2), Cl(2), Fg(2), Hr(2), Tp(2), Timp, 弦5部という、典型的な二管編成。
第1楽章、ポコ・ソステヌート~ヴィヴァーチェ。イ長調、4分の4拍子~8分の6拍子。ジョージ・セル指揮クリーヴランド管のこの録音では、冒頭の炸裂する全奏が力強く、かつ精緻なことにびっくりしたものでした。初めて聴いたときに、思わず「すごい!」と引き込まれてしまった記憶が鮮明です。
第2楽章、アレグレット。イ短調、4分の2拍子。象の一声のようなホルンと木管による出だしに続き、コントラバス、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンによる歩み。やがて第1ヴァイオリンも加わって、音楽が昂揚していきます。思索をめぐらしながらの、堂々たる歩行です。
第3楽章、スケルツォ:プレスト。ヘ長調、4分の3拍子。始まりは意外なほど冷静で落ち着いたもので、浮ついた熱狂はありません。素晴らしいアンサンブルを披瀝しながら「だ~めよ、だ~めよ、も~ぉだめだよ~」のフレーズが繰り返され、力強いエネルギーが感じられます。しかし、この切れの良い軽快感は、実になんとも見事なものです。
第4楽章、アレグロ・コン・ブリオ。イ長調、4分の2拍子。鉄壁のアンサンブルによる快速なテンポ、ティンパニの縦横無尽の活躍が印象的。指揮台に立つ頑固オヤジが、眼鏡の奥でギロリと睨むように、熱狂に駆られて自分を見失うことのない、冷静なバランス感と精妙なリズムのドライブ感を特徴とする、見事な演奏だと感じます。
演奏は、ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団。1959年の10月に、米国オハイオ州クリーヴランドのセヴァランス・ホールで収録されたアナログ録音です。型番は、LP のほうが全集で CBS-SONY SOCZ-38~43、CDが SONY SBK-48158 というものです。ちなみに、セルとクリーヴランド管が入れたベートーヴェンの交響曲、ステレオ録音は第3番「英雄」がもっとも早く、次にこの第7番が続く(*2)ようです。エロイカが得意だったのは間違いのないところでしょうが、この7番もきっとお得意のレパートリーだったのでしょう。「精妙なリズムのセル(*3)」にふさわしいものだと感じます。
■ジョージ・セル指揮クリーヴランド管
I=11'46" II=7'32" III=7'17" IV=7'12" total=33'47"
(*1):「某寺の若住職とクラシック音楽談義」~「電網郊外散歩道」より
(*2):第1番(1964)、第2番(1964)、第3番(1957)、第4番(1963)、第5番(1963)、第6番(1962)、第7番(1959)、第8番(1961)、第9番(1961)
(*3):「精妙なリズムのセル、豊麗なレガートのカラヤン」~「電網郊外散歩道」より
すでに Linux パソコンに取り込み、Rhythmbox というソフトウェアを用い、Pioneer 社のプリメインアンプ A-01 を通じてフォステクスの FE103 自作箱というスピーカで再生している音を、過日、某寺の若住職に耳敏く聞かれてしまっておりました(*1)。妻いわく「音が大きすぎるのよ」。う~ん、そうかもしれない。小型スピーカでパワーが入らないからと安心しすぎたかも(^o^;)>poripori
1811年から12年にかけて作曲され、1813年12月8日に、ベートーヴェン自身の指揮によりウィーンで初演されたといいますから、ベートーヴェンが40歳頃の作品です。作品番号は92番。初演時には一応の成功をみたらしい。良かったね~、ルードヴィヒ!と思わず祝福したくなるような、明るく活力に満ちた曲です。
楽器編成は、Fl(2), Ob(2), Cl(2), Fg(2), Hr(2), Tp(2), Timp, 弦5部という、典型的な二管編成。
第1楽章、ポコ・ソステヌート~ヴィヴァーチェ。イ長調、4分の4拍子~8分の6拍子。ジョージ・セル指揮クリーヴランド管のこの録音では、冒頭の炸裂する全奏が力強く、かつ精緻なことにびっくりしたものでした。初めて聴いたときに、思わず「すごい!」と引き込まれてしまった記憶が鮮明です。
第2楽章、アレグレット。イ短調、4分の2拍子。象の一声のようなホルンと木管による出だしに続き、コントラバス、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンによる歩み。やがて第1ヴァイオリンも加わって、音楽が昂揚していきます。思索をめぐらしながらの、堂々たる歩行です。
第3楽章、スケルツォ:プレスト。ヘ長調、4分の3拍子。始まりは意外なほど冷静で落ち着いたもので、浮ついた熱狂はありません。素晴らしいアンサンブルを披瀝しながら「だ~めよ、だ~めよ、も~ぉだめだよ~」のフレーズが繰り返され、力強いエネルギーが感じられます。しかし、この切れの良い軽快感は、実になんとも見事なものです。
第4楽章、アレグロ・コン・ブリオ。イ長調、4分の2拍子。鉄壁のアンサンブルによる快速なテンポ、ティンパニの縦横無尽の活躍が印象的。指揮台に立つ頑固オヤジが、眼鏡の奥でギロリと睨むように、熱狂に駆られて自分を見失うことのない、冷静なバランス感と精妙なリズムのドライブ感を特徴とする、見事な演奏だと感じます。
演奏は、ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団。1959年の10月に、米国オハイオ州クリーヴランドのセヴァランス・ホールで収録されたアナログ録音です。型番は、LP のほうが全集で CBS-SONY SOCZ-38~43、CDが SONY SBK-48158 というものです。ちなみに、セルとクリーヴランド管が入れたベートーヴェンの交響曲、ステレオ録音は第3番「英雄」がもっとも早く、次にこの第7番が続く(*2)ようです。エロイカが得意だったのは間違いのないところでしょうが、この7番もきっとお得意のレパートリーだったのでしょう。「精妙なリズムのセル(*3)」にふさわしいものだと感じます。
■ジョージ・セル指揮クリーヴランド管
I=11'46" II=7'32" III=7'17" IV=7'12" total=33'47"
(*1):「某寺の若住職とクラシック音楽談義」~「電網郊外散歩道」より
(*2):第1番(1964)、第2番(1964)、第3番(1957)、第4番(1963)、第5番(1963)、第6番(1962)、第7番(1959)、第8番(1961)、第9番(1961)
(*3):「精妙なリズムのセル、豊麗なレガートのカラヤン」~「電網郊外散歩道」より