チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番のような曲は、記事に取り上げるのが少々億劫でした。何を今更、という気持ちが先にたち、どうも言葉が出てこないのです。ふだん聴いているのは、ゆったりしたテンポで巨匠風を目指した清水和音(Pf)とマイケル・ティルソン・トーマス指揮ロンドン交響楽団(CBS-SONY 32DC677)と、やや速めのテンポで豪快な、エミール・ギレリス(Pf)にフリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団(BMGビクター SRC-1012)、それにもう1枚、DENON MyClassicGallery というシリーズ中の、ヴァレンティーナ・カメーニコヴァ(Pf)とイルジー・ピンカス指揮ブルノ国立フィルハーモニー管弦楽団の演奏(GES-9238)です。こちらはあまり巨匠風を強調せず、速いテンポのすっきりしたものです。
作曲者34歳の時に書かれたこの曲、とにかく派手で印象的で、たとえは悪いですがロックスターがライトの中を登場するような出だしは、「運命」交響曲の「ジャジャジャジャーン」に匹敵する知名度があるんじゃないでしょうか。全曲を聴き通すと、しばらく再聴はご遠慮申し上げたい気分になるほど満腹感があります。
うーむ。私はこの曲が好きではないのだろうか?
いやいや、好きは好きなんですが、モーツァルトのニ短調の協奏曲とか、ベートーヴェンの1番や4番の協奏曲、あるいはシューマンのピアノ協奏曲だとかプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番だとかの、無条件に好きな、すぐにでももう1回聴きたいと思うような曲とは少々違うのですね。それは、濃厚な甘~いケーキの食べ放題の後みたいなもの(*)でしょうか。いくら好きでも、ねぇ(^o^;)>poripori
第1楽章、アレグロ・ノン・トロッポ・エ・モルト・マエストーソ~アレグロ・コン・スピリート。全曲の半分以上を占める、巨匠風の長い楽章です。もう、これだけで十分に満足してしまいそう(^o^)/
第2楽章、アンダンティーノ・センプリーチェ。弦のピツィカートに乗ってフルートが奏でる音楽は、まるで「くるみ割り人形」の一場面のようです。
第3楽章、アレグロ・コン・フォーコ。音楽の憑神が乗り移ってくるような、情熱的で絢爛豪華なフィナーレ。劇場を熟知した作曲家による、聴いた~と満足・満腹できる終わり方です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/07/56d6e173e6edc3813f7acb991cd8e153.jpg)
参考までに以下に演奏データを示しますが、郊外路を走る通勤の車中で繰り返し聴くのであれば、手元のCDの中では、カメーニコヴァ盤がさわやかでよろしいようです。ブルノ国立フィルというのは、チェコ第二の都市ブルノにあるオーケストラで、ここはヤナーチェクゆかりの土地柄だそうです。
ギレリスとライナー盤、終楽章の切れ味はさすがで、なるほど「鋼鉄の」という形容はこのあたりからも来ているのかな、と思わせます。でも、緩徐楽章の詩的な雰囲気もさすが一流のものであり、終楽章の猛烈さだけに目を(耳を)奪われるのはどうでしょう。
ロシアの憂愁にどっぷりと浸りたい気分のときは、清水和音盤を聴きます。この演奏、若い頃はとても好きでした。でも、正直に言って、今はもう少し淡々とした演奏に惹かれます。やっぱり年齢のせいでしょうか。
■清水和音(Pf)、マイケル・ティルソン・トーマス指揮ロンドン響
I=20'32" II=7'44" III=7'01" total=35'17"
■エミール・ギレリス(Pf)、フリッツ・ライナー指揮シカゴ響
I=20'16" II=7'04" III=6'14" total=33'36"
■カメーニコヴァ(Pf)、イルジー・ピンカス指揮ブルノ国立フィル
I=19'50" II=6'15" III=6'40" total=32'55"
(*):いえ、妻や娘にお付き合いして、お菓子屋さんに行くことがあるのですよ(^o^)/
作曲者34歳の時に書かれたこの曲、とにかく派手で印象的で、たとえは悪いですがロックスターがライトの中を登場するような出だしは、「運命」交響曲の「ジャジャジャジャーン」に匹敵する知名度があるんじゃないでしょうか。全曲を聴き通すと、しばらく再聴はご遠慮申し上げたい気分になるほど満腹感があります。
うーむ。私はこの曲が好きではないのだろうか?
いやいや、好きは好きなんですが、モーツァルトのニ短調の協奏曲とか、ベートーヴェンの1番や4番の協奏曲、あるいはシューマンのピアノ協奏曲だとかプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番だとかの、無条件に好きな、すぐにでももう1回聴きたいと思うような曲とは少々違うのですね。それは、濃厚な甘~いケーキの食べ放題の後みたいなもの(*)でしょうか。いくら好きでも、ねぇ(^o^;)>poripori
第1楽章、アレグロ・ノン・トロッポ・エ・モルト・マエストーソ~アレグロ・コン・スピリート。全曲の半分以上を占める、巨匠風の長い楽章です。もう、これだけで十分に満足してしまいそう(^o^)/
第2楽章、アンダンティーノ・センプリーチェ。弦のピツィカートに乗ってフルートが奏でる音楽は、まるで「くるみ割り人形」の一場面のようです。
第3楽章、アレグロ・コン・フォーコ。音楽の憑神が乗り移ってくるような、情熱的で絢爛豪華なフィナーレ。劇場を熟知した作曲家による、聴いた~と満足・満腹できる終わり方です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/07/56d6e173e6edc3813f7acb991cd8e153.jpg)
参考までに以下に演奏データを示しますが、郊外路を走る通勤の車中で繰り返し聴くのであれば、手元のCDの中では、カメーニコヴァ盤がさわやかでよろしいようです。ブルノ国立フィルというのは、チェコ第二の都市ブルノにあるオーケストラで、ここはヤナーチェクゆかりの土地柄だそうです。
ギレリスとライナー盤、終楽章の切れ味はさすがで、なるほど「鋼鉄の」という形容はこのあたりからも来ているのかな、と思わせます。でも、緩徐楽章の詩的な雰囲気もさすが一流のものであり、終楽章の猛烈さだけに目を(耳を)奪われるのはどうでしょう。
ロシアの憂愁にどっぷりと浸りたい気分のときは、清水和音盤を聴きます。この演奏、若い頃はとても好きでした。でも、正直に言って、今はもう少し淡々とした演奏に惹かれます。やっぱり年齢のせいでしょうか。
■清水和音(Pf)、マイケル・ティルソン・トーマス指揮ロンドン響
I=20'32" II=7'44" III=7'01" total=35'17"
■エミール・ギレリス(Pf)、フリッツ・ライナー指揮シカゴ響
I=20'16" II=7'04" III=6'14" total=33'36"
■カメーニコヴァ(Pf)、イルジー・ピンカス指揮ブルノ国立フィル
I=19'50" II=6'15" III=6'40" total=32'55"
(*):いえ、妻や娘にお付き合いして、お菓子屋さんに行くことがあるのですよ(^o^)/