電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ほろ苦さは大人の味~山形の「あけび料理」

2009年09月13日 05時24分35秒 | 料理住居衣服
某テレビ番組で、生垣を食べると驚かれた山形(*1)のもう一つの味、「あけび料理」とは、こんなふうなものです。



ふつう、あけびは実のところを食べ、皮は捨てるものだと相場が決まっているのだそうですが、当地山形ではまるで逆。あけびの皮のほうを使うのです。ごらんのとおり、中にひき肉やシイタケなどを詰めてあり(*2)、食べると独特のほろ苦さがあります。
子供の頃は、この苦さがあまり得手でなく、どちらかといえば敬遠したい食べ物でした。ところが、30代あたりから、このほろ苦さが好ましく感じられるようになりました。ちょうど、ゴーヤがそのほろ苦さで人気を博しているのと同様に、味覚が敏感な若者には苦すぎて、大人になって初めて楽しめる美味しさなのでしょう。



亡父がこの「あけび料理」が大好物でしたので、命日に仏壇に供えるとともに、家族も精進料理のかわりにいただきました。
ひき肉が入って精進料理のかわりにはならないという見方もありましょうが、なに、亡父はそんな狭い了見の持ち主ではありません。「ワシの命日に大好物を備えてくれるのなら歓迎だわ」と言うでしょう。原爆症に耐えながら最後まで合理的に物事を考え、その父(祖父)と同様に、頑迷な因習を嫌った人でしたので、仏前に供えられる地元の伝統料理を忌避するはずがないと信じております(^o^)/

(*1):山形では生垣を食べるという、その真相~「電網郊外散歩道」より
(*2):作り方レシピは~「あけびの詰め物 山形の郷土料理」
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