いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

核抑止の論理矛盾。 logical contradiction of nuclear control

2012-03-26 19:42:25 | 日記
 (1)北朝鮮が予定どおり「人工衛星」(その実、長距離弾道ミサイル)打ち上げ準備を進める情報の中で、韓国で日本も含めた世界53か国首脳、国際機関代表を集めた核安全保障サミットが開催(26,27日)される。

 核兵器保有国、協力国中心に核開発、核テロへの安全対策、管理対策を話し合う国際会議だが、世界平和への崇高な意義とはパラドックス(paradox)な核既得権益圏、享受圏からの一方的なこれらの立場、利益を脅かす反国家、テロ体制への結束した核既得権益保護主義宣言のサミット会議だ。

 (2)09年にオバマ大統領が「核兵器のない世界」宣言をしてノーベル平和賞を授賞して、世界は平和に向けて新しいステップを迎えたと期待されたものだが、核大国の米ロの核兵器削減交渉が進展しないままの北朝鮮とイランによる核開発疑惑が問題化している国際政治だ。

 世界最大の核保有国の米国が「核兵器のない世界」宣言をして一方で削減努力もしない中での核既得権益独占保護主義が、北朝鮮、イランに核開発の「口実(excuse)」を与えているという皮肉な結果の国際社会だ。

 (3)すでに現地入りしているオバマ大統領は、ソウル市内での講演会で「これ以上、危険な核兵器の保有国を増やしてはならない」と強調(メディア取材要約)してみせたが、一方的な立場の「論理矛盾(logical contradiction)」で説得力に欠けるものだ。

 こういうことでは、たとえ北朝鮮、イランを同会議に付かせても都合よく核大国の思惑どおりのシナリオ(核既得権益独占)にはならないだろう。
 「核兵器のない世界」実現に向けての核保有国の核兵器削減努力、目標を共有して、「これ以上増やさない」ではなく、限りなく「ゼロ」に近づく努力姿勢こそが求められている。

 (4)それでは核大国の核既得権益独占が「見直され」なければ、新興核開発国の立場は「否定」されないのか。そうではない。
 「核兵器のない世界」、世界平和の実現には、双方の立場からの「核兵器ゼロ」への努力、姿勢は「相対的」な論理(あちらが実践しないから、こちらも対抗進める)ではなく、「絶対的」なものとして必要なことだ。

 (5)これを主張、主導できるのは、世界で唯一の被ばく国日本の国際的な役割、使命でもある。米国との軍事同盟関係にあるとはいえ、平和憲法(紛争解決の手段としての戦力を持たない)の日本だからこその世界平和、非核化への提言、発信力に意義も意味もある。平和に関する国際会議での日本の発信力低さが問題だ。

 米国との軍事同盟関係はパラドックス(paradox)として日本の平和憲法の定着、範囲、効力を意味してもいる。だから近年の自衛隊の軍事力の近代化、増強と日米軍事同盟関係のインバランス(imbalance)の防衛構造は、これをないがしろにするものだ。

 (6)米朝2国間協議での栄養食品提供と引き換えの核開発につながる北朝鮮のウラン濃縮技術の一時停止を取り付けた。2国間約束を守らないいくつもの前歴の北朝鮮でのしかも支援対価ではの核開発につながる技術の一時停止交渉手法など、問題解決本質論にどれだけの意義を持つのかまったく不条理なことだけれど、とりあえずは非戦争行為で核開発の進行をストップはした。

 北朝鮮も査察受入れを表明しており、国際機関の検証をオープンにして国際社会の監視の中で朝鮮半島の安定化を進めたいものだ。

 (7)そしてなにより、他国に「口実」を与えない核保有国の核兵器削減努力、姿勢、目標実現が世界平和のパラダイム(paradigm)だ。世界的核安全保障サミットが一方的な利益、立場保護にならない公正、公平で実効性のあるものとならなければならない。

 核兵器は今や能力近代化により、現実的に使用されれば地球(環境)破壊、自爆につながるものと非現実的な兵器という認識であったが、「9.11」以降は国際テロも含めて何でもありの現実、危機に直面した感もある。
 世界いづれにあっても、核兵器の危険はすべての地球人の直面する問題だ。

 

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