いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

LINEの欠落。 missing LINE

2021-03-25 19:56:57 | 日記
 (1)「LINE」が「ヤフー」と経営統合をしたのは、GAFAといわれる世界展開する米大手IT企業群に対抗するためといわれて、それぞれの企業特徴をいかしたIT事業拡大戦略が注目を集めた。が、その「LINE」が中国現地法人の中国人技術者4人に個人情報の閲覧可能な権限を与えていた事件ですでに中国側からのアクセス(情報漏えい)が確認されている。

 (2)「LINE」が中国、韓国にIT現地法人を置くのは、「国内の技術者不足は業界共通の課題」(報道)のためであり、IT化に力を入れる中国、韓国のIT技術力を背景にGAFAに対抗するアジアIT勢力の対抗結集を目指す戦略がみえる。

 日本のIT分野は菅政権がデジタル庁設置で行政、社会活動のIT化促進整備を進める政策を打ち出しているが、今年に入ってみずほ銀行のデータ過重処理による何回ものATM停止事故に東電柏崎刈羽原発では他人のIDカードで中央制御室に不正に入室するテロ対策セキュリティ不備が続き、そこに国内8千万人以上が利用する「LINE」の中国からの個人情報閲覧可能という情報漏えい、安全管理不備の発覚だ。

 (3)情報化時代、社会を迎えてIT化が進められて必要な中で、それぞれに多岐にわたるIT管理、操作不備、不足が集中して起きた事件、事故であり、IT化とともに個人情報の安全管理、プライバシー保護、セキュリティ体制、対策、管理者認識が十分でない実情があきらかになった。

 もちろん日本だけでなくGAFAでも技術的問題はあり、世界的にIT企業に対する情報規制、統制、管理強化の必要性が検討されている。今回の「LINE」の中国現地法人の中国人技術者に個人情報の閲覧可能権限を与えていた事件は、中国国内の国家統制、情報統制、協力義務化(国家情報法)強化がはかられている中での企業体制、認識の甘さではすまない企業利益優先の利用者の信頼失墜問題であり、「潮目の変化を見落としていた」(LINE出沢社長談)ではIT企業、情報産業の大きな社会的責任を自覚しない能力、脇の甘さ、技術力不足を露見するものだ。

 (4)GAFA規制にも「LINE」、「ヤフー」経営統合にも市場寡占状態への偏向懸念があり、経営者の理念、理論に利益市場拡大優先主義で個人情報、プライバシー侵害への行き過ぎがみられて、利用者への情報管理の責任信頼論が欠如している。

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