(1)北朝鮮が朝鮮戦争の休戦協定締結から70年を迎えて、中露の政府、軍の要人出席のもとに記念の軍事パレードを開催(報道)した。どういう意味がある記念なのかわからずに、報道写真では中露要人の中央で軍事パレードを見る金正恩総書記の満面の笑みが何を意味するのかもますます記念をわからなくしている。
(2)北朝鮮は一時核実験を強行して、今もミサイル発射をくり返して日米韓を威かくして好戦的(warlike)な姿勢は脅威となっている。こういう北朝鮮が中露政府、軍要人を招いて結束を示して、休戦協定から70年を記念するというのも不思議な感じの光景だ。
休戦協定は締結して70年たっても米国、韓国と北朝鮮の平和条約はいまだ締結されずに休戦中で北朝鮮は核実験、ミサイル発射で挑発的な行動をくり返しており、日米韓軍事同盟に対して挑戦的な行動に出ているおかしな話を見せられている。
(3)休戦協定締結の記念行事なら、米韓そして日本に対して休戦協定の平和的維持、朝鮮半島の平和安定に対して何らかのメッセージを発信することもあっていいはずだが、中露政府、軍要人を招いて結束を示して軍事パレードで北朝鮮の軍事力の脅威を示すだけというのも休戦協定記念との一体性、関係性が乏しい北朝鮮の矛盾した行動でしかない。
これでは休戦協定締結の意味もなく、北朝鮮の国威発揚、中露結束に使われては休戦協定締結の意味も台無しで残念だった。
(4)米国からは1945年8月の広島、長崎への原爆投下の1か月前の7月に米国が人類初の核実験「トリニティ」が行われ、米プリンストン大などの研究チームが同実験の放射性降下物が10日間で米46州、メキシコ、カナダ東部にも広がったとするシミュレーションを作成し公表した。
広島、長崎原爆投下からわずか1か月前に米国が初めて核実験を行い、その影響、分析も考えずにその1か月後に広島、長崎へ原爆投下したかと思うと、こちらも当時の米国としてはまったく無謀な人類への破壊、挑戦計画だったことがうかがえる。
(5)戦争というのはどんな理由があっても国家が人類を無差別、無分別に攻撃する国家犯罪であって罰せられるべきであり、正当性などあるはずもなく、あってはならないものだ。
それから78年、北朝鮮は核実験を強行して、日米韓との対決姿勢を強めており、プーチン大統領はウクライナ侵攻で核攻撃の可能性についても言及している。
(6)中国も近年核兵器を増強しており(報道)、休戦協定締結から70年を記念する北朝鮮、中露が結束して集結し朝鮮半島の安定、平和が守れるのか、極めて世界平和に重要な問題、課題が当事国の思惑で意味もなく利用される現実をみせつけられている。