いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

保守化の連合。 conservative JTUC

2023-08-26 20:40:51 | 日記
 (1)安倍元首相時代に本来自由で自主的な経済活動に対して政府内に政経労会議を設置して官邸主導の賃上げを要請して実現してきた政治体制の中で、経団連・経営者、連合・労働組合の役割は終わったと書いたが、すでに長引くデフレ不況下で好不況のはっきりした企業経営がある中で春闘でも一律に経営側と連合側が話し合って賃上げ交渉の方向性を決めることには無理がある。

 (2)産別、企業別に経営側と労組側が単独で話し合い、賃上げ交渉をする形態に替わり、従来賃上げを強く経営側に求めてきた労組も企業の存続が重要で基本との考え方を示すようになって、非常に物分かりのいい賃上げ交渉に変わってきていた。すでに経団連、連合の役割は終わりを告げていた。
 安倍1強時代ともいわれて、選挙でも自民党1強時代が続いて、軒並みヒト桁の国民支持の弱小野党では勝負にならない時代で経団連、連合の政治的役割も及ばないものになっていた。

 (3)そうした時代背景を象徴したものか、前回2年前の連合会長選びでは有力者の立候補もなく「誰も手を挙げることもなく」(報道)白羽の矢が立ったのが現在会長の芳野友子JUKI労組委員長だった。
 連合(JTUC)としてはお寒い限りの労組体制であったが、注目されたのは連合初めての女性会長というだけでなく芳野会長が野党共闘から共産党を排除する考えを強く打ち出して、自民党との関係構築に動いて選挙でも取り込まれて自民1強につながる構図がみられた。

 (4)芳野連合では賃上げは労働者の生活安定の最重要課題であり、それには経営側と交渉するよりは政権党に接近することによって政治主導で賃上げを確実にしようとした思惑も考えられる。安倍元首相時代には官邸主導により4年連続の賃上げが続いたが、しかしアベノミクスの大企業優先主義で中小企業、国民生活には恩恵は及ばなかった。

 (5)今回2期目の連合会長にも有力候補が手を挙げずに、芳野会長の再選が決まった。春闘も産別、企業別の経営側と労組側単独の話し合いが主流となり、日銀の大規模金融緩和による円安で大型物価高が続き少子化で経営者側の賃上げをしない企業には人が集まらないという高い3%賃上げも賃上げ実質マイナス成長の中で、中小企業、労働者、国民は厳しい状況を強いられている。

 (6)こうした現状社会を政権、自民党に利用されるだけでない労働者主体の立場に立った労働運動を推進できるのか、比較、検討、選択可能な考え、意見が見られない連合の中で芳野会長の2期目を迎える。

 

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