(1)民主主義の後退が言われて久しいが、互解、崩壊が始まっている。民主主義の基本は国民意思での「選挙」で国のリーダー、議員を決めることだが、4年前の米国大統領選ではトランプ候補が敗北を認めずに不正投開票を主張して支持者を扇動して議会に向かわせ暴徒化した支持者が議会に乱入、襲撃して前代未聞の事態となった。当時大統領だったトランプ氏が自ら米国民主主義を否定して、米国は民主主義を失った。
②支持者を扇動して議会に向かわせたとして罪に問われて裁判中だ。またトランプ氏は私的な不倫口止めでも訴えられてニューヨーク州裁判所は有罪評決したが、刑は執行免除した。米メディアは20日就任式のトランプ次期大統領に配慮したものと伝えている。米国では政治も司法も民主主義機能を失い、専制国家、独裁国家と同じだ。
(2)韓国では緊急戒厳令を宣布した尹大統領が議会から罷免されて騒乱罪に問われたが、裁判所が認めた逮捕状執行を拒否して公邸に閉じこもり大統領警護庁が尹大統領の逮捕を阻止して混乱を招いている。
韓国では民主主義が失われている。議会が緊急戒厳令の尹大統領を罷免したが、執行権のない尹大統領が裁判所が認めた逮捕状執行を実力で拒否して「法治国家」が崩壊してこれを自由主義というのなら専制国家、独裁国家と変わらない。
(3)日本は石破自公政権は少数与党となり、国会では野党の協力がなければ予算案、法案は進まない。国民の過半数が支持しない「国民主権」が機能しない、反映しない政権が政治、政府を運用するというのは民主主義ではなく、専制国家、独裁国家と同じだ。
野党の協力がなければ国会運営ができないというのもおかしな話で、本来なら政権を野党に譲るのが民主主義の本質であり日本でも民主主義が失われている。
(4)民主主義国家といわれる日米韓同盟国がすべて民主主義を失っている中で、専制、独裁化した国家が何を決めるというのか、何を守るというのか、アジア情勢は不安定、危機を抱えている。
新年に石破首相はマレーシア、インドネシアを訪問してASEAN重視外交を展開してきたが、ASEANにとって民主主義が失われた日本の石破首相に対してどれほどの信頼、期待を寄せているのかわからない。
(5)民主主義国家にとっては国民の支持、信頼、協力、支援が必要で基本、本質、本論であり、失われてはならないものだ。日本、韓国は民主主義を取り戻すことはできるだろうが、今後4年間トランプ米国は民主主義を取り戻すことは容易ではないだろう。
バイデン大統領は民主主義の後退、危機から民主主義国家の結束を訴えたが、残り任期もない中で皮肉にも米国から民主主義が失われる。
(6)世界から民主主義国家が少数になり、いつのまにか世界人類は専制国家、保守思想、極右勢力が台頭して過半数となり、国民が物事を決める民主主義の重要性を失っている。