(1)年末にかけて国際情勢が大きく動き出している。韓国は尹大統領の弾劾が廃案となったが最高検察庁が尹大統領を内乱罪で捜査を始めて、場合によっては現職大統領逮捕という事態構図も考えられて、そうなれば韓国政治も混迷を深める。韓国では起こらないとはいえない。
(2)内戦が続くシリアでは反体制派組織が勢いを増して要衝を次々と攻略して首都を制圧し、アサド大統領がシリア領内の露軍基地に逃れ露へ亡命した。アサド政権を支える露、イランがどう出るのか、関与するのか、反体制派組織が国内を制圧しておりこちらも事態は混迷を増している。
(3)来年1月にトランプ大統領が就任してウクライナ戦争、イスラエルのガザ地区侵攻、レバノンのヒズボラ、イランとの対立がどうなるのか、動くのか、トランプ大統領が1月末就任までにウクライナ戦争を決着させると言っているので何もないということはない。
バイデン大統領が日米韓同盟強化を進めてきた朝鮮半島情勢もトランプ大統領は2国間協議成果を目指すので北朝鮮との対話も示唆しており、米韓、日米協議と個別化してそれぞれに米国の意向、負担増を要求してくるものとみられて、ここでも体制弱体化の韓国が対応にせまられることになる。尹体制ではもたないだろう。
(4)少数与党の石破政権は「103万円の壁」見直しで国民民主との協議を進めて、来年度予算案成立にも協力を求めて順当にいけば予算年度内成立のメドもたつが、夏の参院選が政権交代を見据えた正念場となる。石破政権がここまで持つのかだ。
国民民主との協議で働き方改革、手取りが増えて支持する若者中心に石破首相の支持率が回復するのか注目で、自民党の対応次第というところだ。
(5)「103万円の壁」見直しも地方税の減収で地方自治体の財政難につながるもので落としどころはまだわからない。4月には大阪万博(EXPO)が開催されて国民の関心の低さが問題で、開催されれば少しは関心も高まることが考えられるが情報化、IT、AI、新産業革命時代で今さら万博でもなく、注目する企画も乏しく、むしろJR大阪界隈の再開発事業の方がロケーションから関心、興味は高くアクセスの悪い万博まで足は伸びないのではないのか。
(6)夏の参院選まで石破首相が持つのか、与党、国民民主との政策ごとの部分連携で結果が出て石破政権の支持率が上向くのか、防衛費増額問題もあり石破政権の前途は厳しい問題が立ちふさがる。
マイナンバーカードも紙の健保証延長が終わり、国民の理解、有効性、安全性が進んでいるのかわからない。対策、対応を誤れば後半の政治課題として国民の反発、批判は大きく政権には厳しいものになる。
(7)トランプ大統領の高関税対策に国際情勢の急激な変化、政変が続いて、世界は政治、経済の混迷期を迎え(the world invites a time of confusion of politics and economy)円安が続いてインフレ、物価高は続き、手取りが増えても実質収入賃金はマイナス成長が考えられて、来年後半は政権には厳しいものとなることが考えられる。
(8)米中経済戦争は復活して、米中の責任は大きくG7、G20での調整能力が求められて、グローバルサウスなどあたらしい政治、経済枠組みの思考が出てくる新時代への期待もある。