(1)世界的な政治現体制が後退、交代している中で、同じく石破政権は少数与党として臨時国会で躍進野党との本格的論戦に臨む。これまでのように野党の追及に自民党の主張を述べて論戦がかみ合わずにツッパねるということができない政治状況(内閣不信任可決)の国会だ。
(2)石破首相は当初の閣僚指名では支持、側近議員を要職に配置して、新入閣議員も10名以上と多くそれなりに石破カラー(そうするしかなかったか)は出した。ただ、それを支える自民党執行部役員となると党の要の幹事長、副総裁では安倍元政権で長く国対委員長をした森山議員、また安倍元首相の後を引き継いで首相となった菅議員を起用して、これまで自民党中枢から長く外れていた石破首相に対して従来の自民党保守派の意向が強く出たものでその後の政策のブレにつながり、指摘されるように石破カラーは薄れていった。
(3)本来なら石破議員の総裁選選挙対策委員長の岩屋外相か、同じ国防族の中谷防衛相を党幹事長に据えて政府、党一体となった政権運営が望ましかった。石破首相の政策のブレが目立つ中では内閣からも石破首相を擁護する声も出しにくく、石破首相が批判の矢面に立たされている現状だ。
(4)1問1答の本格論戦の衆院予算委員会の委員長は野党立憲の安住議員が就任して、冒頭のようなこれまでの国会、予算委員会論戦、法案成立のようなわけにはいかない。昨日まで石破首相は地元鳥取に帰っていたが1日に石破首相が乗った車両が同市内を移動中に前方の警護車両に追突(報道)する事故(ケガはない)を起こしており、何から何まで先行不安、見通せない、衝突回避の効かない、できない石破政権だ。
(5)石破首相にエールを送るとすれば、冒頭のように世界主要国の政治リーダーはどこもこれといった国民支持の高い有力者はいないのだから卑屈にならずに、石破首相のモットーにもみえる誠心誠意国家、国民、社会のために尽くす政治、政策、理念を1歩、1歩でも進めていくしかない。
(6)しかし、石破首相、内閣にもそうは時間的余裕があるとは見えずに、早くも来年夏の参院選で政権交代が焦点となるだけにその前の通常国会が命運を握ることになる。意欲を示している防災省を早く立ち上げて能登地震復旧、復興を目に見えるように進め、予想される南海トラフ巨大地震、地球温暖化による自然災害の安全、防止対策を徹底して策定しなければならない。
トランプ米大統領の打ち出す経済、貿易、関税対策、国民民主との協議連携の「103万円の壁」対策(地方税減少問題)、中国との外交、軍事、経済対策と重要課題はある。
(7)石破内閣が少数与党ということは、国民からすれば国会は「選ぶべきでない人(首相)を選んだ」(who should not choose)ということになり、与野党は重い共同責任を負わなければならない。