(1)シリアで何十年間父子で「独裁者」として国家を支配してきた現アサド大統領が失脚して露に亡命した。報道映像では残されたおびただしい数々の所有車が映しだされていたが、これまで長引く内戦で国民は虐待されて疲弊している中で露の支援を受けて栄華の限りを満喫するアサド大統領が紹介されていた。
(2)かってのフィリピンのマルコス大統領は「独裁者」として君臨して「戒厳令」を敷いて、国民の支持を失い官邸を追われて失脚したあと、残された夫人所有の豪華絢爛の服、靴、貴金属の数々が映像で紹介されていた。
独裁者(autocrat)というのは国民を虐待、虐(しいた)げて支配し国の富、財産、利益を独占して栄華をつくすもので、歴史はくり返すというが皆同じで末路は見えていながら止められないもののようで、やはり一人の独裁者の力よりは絶対多数の国民の力が最後は上回るという歴史的命運(fate)、宿命にある。
(3)韓国では尹大統領が想定される北朝鮮の侵略にではなく国会多数野党の抵抗に対して突然非常戒厳令を宣布して軍隊を動員したが、騒乱の中で国会で否決されて6時間で取り下げた。
最高検察庁トップの検事総長を務めた尹大統領がこの非常戒厳令が憲法に基づくものかどうか判断できるはずで、超法規的「独裁」に失敗してかって在籍した検察から内乱罪首謀者として捜査を受けている。本人は正当性を主張している。
(4)日本でも政治的背景をみると、県知事で気になる行動規範が伝えられて、県の調査では職員への強い口調はあったがパワハラとは確認、確証できなかった(報道)という判断だ。一方で視察先で地産品など贈答品は受け取っていたことが明らかになって、原則受け取らないガイドラインを策定した。
一見、独裁行政にみえるが、同知事は出直し選挙で若者中心にSNS選挙運動の高まりで県民の支持を集めて再選された。
(5)石破首相は少数与党として野党との国会対応を迫られて韓国国会と同じ政治構図にあるが、こちらは躍進した国民民主と「103万円の壁」見直し協議で政策ごとの部分協議を進めて補正予算案を修正合意して可決した。
(6)いくつか見てくると、世界の政治情勢がよく似ていて、教訓とするところがあるのではないか。