いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

四面楚歌の政府と都知事選。the government is attacked on all sides

2014-01-21 19:56:27 | 日記
 (1)首都東京が孤立(isolation)しているように見える。いや、国会周辺の国政の中心部がと言うべきか。
 安倍内閣の支持率が50%台で依然としてこれまでの近年の内閣に比べて高い水準を維持しているとはいえ、東日本大震災の復興の遅れに福島第一原発事故の汚染水問題の東北自治体の首長選挙では自民党系候補者の4連続の敗戦続きで、昨日の西の辺野古移設争点の名護市長選では移設反対の現市長が再選を果たして、自民系候補者は落選した。
 その昨日にもうひとつ東の東北被災地南相馬市長選の投開票が行われ、脱原発(anti atomic power plant)を主張した現市長が自民系候補者を破って再選を果たした。

 (2)社会問題が深刻で鮮明な地方の自治体選挙で政府政策に対する不満、批判が相次いでまるで、国政の中心に位置する首都東京が西から東から挟み撃ちで四面楚歌(the government is attacked on all sides)の様相だ。

 こちらも支持率軒並みひと桁台の野党をしり目に40%前後とひとり高い支持率を維持している与党自民党は表向き危機感を持って引き締めをはかっているが、安倍首相は意に介する素振りも見せずに靖国参拝問題同様にひたすら我が道を行く姿勢がなおさらに孤立感を一層引き立てている。

 (3)西から東から問題を抱えた地方自治体の首長選挙の自民党系候補者の敗戦続きによるまるで首都東京包囲網の様相の中で、東京都知事選(the metropolitan governor election)が2月に実施される。

 23日の告示を前に候補者は出揃った感のある中で、争点のトップに据えるのは原発問題だ。四面楚歌の政府は経済界寄りの原発再稼働を原規委に丸投げして見て見ぬふり戦術の中で、都知事選で脱原発が焦点となることに懸念を示してエネルギー政策は国政の問題だとけん制してみせても、電力大消費都市の東京にとっても重大問題を抱えるだけに世論、専門家は脱原発が都知事選の争点になることを前向きにとらえている。

 (4)ここでも政府はひとり四面楚歌状態だ。脱原発に集約して手をあげた細川護煕さんはどうやら即時原発ゼロを選挙政策(公約)とする方針で、対応、対策を検討中といわれる。同じく脱原発を主張していた小泉元首相の支援を受けたが、これまでの発言との整合性など選挙政策(公約)の精度(精査)に手間取って発表が2転3転、ようやく公示前日の明日(22日)に記者会見で発表することになった。

 (5)このため細川さんは予定されていた候補者による討論会に不参加を表明して、これを受けて自民党が支援する舛添さんも不参加となり有力候補2名を欠いた討論会は中止となった。

 候補者は選挙戦を通して自身の政策課題を表明するものではあるが、事前のお披露目は主義主張の説明、理解、比較考察を深めるためには格好の場として討論会はこれまで活用されてきただけに、拍子抜けというよりは候補者の理念先行の準備不足があきらかとなった。

 (6)理念先行の政策準備不足は民主党政権の自壊でも経験しただけに都民にとっては要注意だ。
 都政から四面楚歌の政府政策を正す絶好の機会の今回の都知事選を、注目だけで終わらせてはならない。
 候補者の覚悟(preparedness)が見えない。

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パラレルな手詰まりの沖縄。 okinawa is pinched for parallel purpose

2014-01-20 19:54:38 | 日記
 (1)十分想定されていたとはいえ、そのとおり名護市長選は辺野古移設反対の現市長が再選を果たした。得票率は当選した現市長が53%(前回51%)、落選した移設容認の前自民党県議が47%(前回候補49%)と前回選挙よりわずかに差が開いたが思ったほどでもなく、移設反対の勝者が圧倒したわけでもない。

 名護市も地方自治体、とりわけ沖縄共通の財政、経済低迷問題はかかえて、市民の暮らしの中には雇用安定も含めて米軍基地依存体質は残っており、沖縄県の普天間飛行場の県内移設反対ほどの高いボルテージほどには選挙結果には反映されない。

 (2)再選された現市長は前回選挙でも接戦を制しながら、辺野古移設反対が100%市民の総意のような分かりやすい表現で主張しているが、市民の意思の中には前回、今回と47~49%程度の「きっ抗」した理由はそれぞれあっても移設容認を支持する市民層も存在する。

 民主主義政治は、たえず勝者は敗者の支持を批判勢力として行政にいかしていく努力、あるいは自戒の判断材料として政策に反映することが求められる政治哲学だ。

 (3)ところが普天間飛行場の移設の反対か容認かのように二者択一の政治選択の課題では、47%といえども比較少数の容認派の意見を移設反対過半数の中で具体的な形で取り入れることなど不可能なので、名護市民の辺野古移設は反対ということが明確に意思表示されたということだ。

 名護市長とすれば47%の敗者側の意思を辺野古移設以外の政策の中で斟酌(しんしゃく)するしかない。
 政府の思い切った沖縄振興策は辺野古移設とパッケージになったものだけに、今回の名護市民の移設反対表明で移設計画が進まなければ政府の沖縄経済振興投資への影響も考えられて、名護市がひとりその責任を負わされる懸念もある。

 (4)名護市政が辺野古移設反対に特化して、市経済、生活安定に対する効果的な推進策が打ち出せないでは公平、公正な行政姿勢とはいえないし、辺野古移設反対で仮に普天間飛行場の継続使用ということになれば同周辺地域の危険続行の責任も共有することになる。

 具体的に県外、国外移設に向けた運動方針の提案も必要だ。まずは名護市が辺野古移設反対と市経済、生活安定の両立を実践してみせることが肝要だ。

 (5)政府とすれば、今回の名護市民の決断(同時に沖縄県民の願いでもある)を尊重し普天間飛行場周辺の危険回避を考察すれば、普天間飛行場の県外、国外移設しか道はない。

 政府が名護市民の反対を押し切って辺野古移設を強行すれば、市民、県民あげての反対運動にさらされることになり、沖縄の米軍基地問題は歴史にさらなる禍根を残す象徴的な問題となる。

 (6)成田闘争のような単なる国内問題の枠ではなく、日米軍事同盟優先による沖縄市民の犠牲という国の主権にかかわる国民切り捨てにつながる問題提起で、さすがに沖縄に米軍基地の70%以上も集中するのもやむを得ないと過半数が理解する(世論調査)国民の理解を得ることはできないだろう。

 予想されたとはいえ、普天間飛行場移設問題は政府、沖縄県、宜野湾市、名護市ともにパラレルな手詰まり状態(okinawa is pinched for parallel purpose)で、打開の先行きは見通せない。

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研究者の不正と世俗化。 unfairnes of investigator and worldly

2014-01-19 16:48:52 | 日記
 (1)日本は欧米に比較して教育に対する国の投資が低いことで世界大学ランキングでも日本トップの東大でやっと20位台と低い評価にある。頭脳の海外流出は続き、日本人のノーベル賞授賞者の米国大学、研究機関の所属も目に付く。
 政府はあらたに大学への研究助成費の支給にあたって業績評価、成果主義(resultant theory)を打ち出して、重点的な研究助成政策を実施している。

 その大学で近年、論文の盗用、不正行為が相次いで表面化して社会問題になっている。新薬開発で利益共有関係にある製薬会社職員が関与した研究実験データなどの関連業者とのゆ着構造、依存構造なども増えている。
 研究費の不正使用、流用で業者とのゆ着関係もあきらかとなるケースが増えた。

 (2)大学、研究機関はかっては象牙の塔と呼ばれて、「閉ざされた」権威至上主義がはびこってほめられたものではなかったが、その分研究開発に対する取り組み意欲、探究、向上心は責任感の高いものがあると信じられてきた。

 近年の大学、研究機関での研究者の論文不正問題は、高度の研究開発分野で業績、成果主義が研究費の助成評価対象となって顕著になってきての悪影響を及ぼしているのではないのか。学術研究が業績、成果主義偏向に陥るのは学術文化の世俗化(worldly)であり、劣化、貧困の危険シグナルだ。

 (3)研究者の学術論文は唯一性、絶対性のある研究業績結果であり、能力、努力、真理、真実が支える世界でただひとつの理論でもある。そこに研究者の良心、真理、真実があり、存在感があるというものだ。

 深い研究には十分な研究資金、研究費も必要だが、真理、真実の原理原則、探究よりも研究費ねん出のための安易な不正(業績、成果偏向)に走るなどとは、大学研究機関もすっかり世俗化してしまったということだ。

 (4)iPS細胞では山中伸弥さんも参加しての国際iPSバンク設立計画が動きだして医療実用化の研究が前進して進歩に貢献し、一方で医学系大学での実験データ収集への業者関与の不適切対応が社会問題化している。

 研究費の不正使用、流用、不適切管理となると、業績評価、成果主義への偏向とはいえずに、大学研究機関と研究関連業界、企業との利益共有関係によるゆ着、なれあい構造だ。研究者意識もすっかり世俗化、サラリーマン化して、研究対価としての利益享受が目的化している時代の変化も背景にある。

 (5)未来社会の構造改革、成長戦略を目指して産学官連携がいわれて久しいが、研究と企業の関係が近代は密接なものになって企業からの研究支援体制も見込めるようになってきた。
 これが研究業績評価、成果主義への偏向を生んでいる負のスパイラル化(spirality)だ。

 大学研究は近代は「開かれた大学」として高度な知識、情報創出、提供による社会文化貢献が求められて、大学研究の在り方も変化を求められてきた。
 
 (6)大学も国際化を迎えて、秋入学制度の検討や留学生の受け入れ増強、入試制度改革に着手しているが、大学研究の構造改革も必要だ。
 最近の報道にあった海外主要大学研究機関の研究室まるごとの一定期間の日本受け入れもひとつの方法論(methodology)だ。これで研究者の意識改革をはかることだ。

 このままでは、ここ10年余米国に次いでノーベル賞授賞者を輩出している日本の研究体制が泣くというものだ。

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露骨な反論。 candid contrary opinions

2014-01-18 19:44:09 | 日記
 (1)中国政府は安倍首相の靖国参拝批判を欧米各国にも拡げて激しさを増している。おおむね国際社会は安倍首相の靖国参拝には自重を求める論調が強く、日本の国内問題でありながら成長するアジア経済のけん引国である中国への配慮か、日本と中国の関係改善によるアジア圏の安定を願う国際社会、とりわけ経済不安の欧州各国からの日中関係改善のために日本側に自重を求める意思が強い。

 同盟国の米国までもが安倍首相の靖国参拝に対して「失望」を表明して強い不満のメッセージを発信している。いまや米国もアジア政策は日本よりも経済優先の中国第一主義が鮮明になっており、日本との同盟関係上日本の外交上の立場は擁護しているがアジア安定のために中国への配慮もただよわせている。

 (2)安倍首相の靖国参拝に対しては、国際社会はおおむね批判的で日本、安倍首相は孤立している。国際社会はかって旧日本軍による侵略支配を受けた中国、韓国とは違って歴史認識問題をとりあげてのものではなく、経済成長台頭の中国に配慮して日中関係改善によるアジア安定を願う意図が見えるものだ。

 ここにきて日本は駐米大使が米紙に寄稿して「(アジアの平和と安全に対する深刻な懸念は)靖国参拝ではなく、中国の他に例を見ない軍備増強による威圧」(報道趣旨)だと反論した。
 「中国と異なり日本は戦後、戦闘で一発も弾を撃っていない」(同)とこれまでとは打って変わってのかなり強硬な反論を展開している。

 (3)さらに国内からは、自民党総裁特別補佐(首相側近)が講演で米国に対して「共和党政権の時代にこんな揚げ足を取ったことはない。民主党政権だから、オバマ大統領だから言っている」(報道)と反論している。

 米国の露骨な「失望」発言に対するこれまた日本側の露骨な反論(candid contrary opinions)だ。国際社会の変化、アジアを取り巻く経済環境、背景の違いを考慮しないストレートの反論で、まさに売り言葉に買い言葉的様相だ。
 中国の国際社会に向けた靖国参拝批判展開に合わせて、日本側も時を同じくして日米からの反論圧力攻勢を示したものだ。

 (4)外国政府の口を封じることなど土台無理な話で、同じステージに乗って批判、反論合戦をやる必要もなく、純然たる国内問題として日本政府、安倍首相のいう「国のために命を落とした人に尊崇の念を示すのはどの国のリーダーもやっている」という考えを伝える努力をすべきだ。

 もちろん国内的に考察しても、中国大陸に侵略支配して中国をはじめアジア人に多大の苦痛と被害を与え、あわせて日本国民を戦争に駆り立てて多大な被害を与えた戦争主導者(A級戦犯)に対して靖国参拝で尊崇の念をあらわすという誤解を与える行動は、首相としては慎むべきことだ。

 (5)靖国参拝は安倍首相の「心」の問題ではなく、思想信条、支持を同じくする人への意思表示、パフォーマンスであることは明白だ。
 「心」の問題であれば形はどうでも問題はなく、神聖にいつ、どこでも偲ぶことはできる。

 純然たる国内問題でありながら、中国ほか国際社会からあらぬ批判、自重を求められる要因だ。問題は露骨で売り言葉に買い言葉のような日本側の中国、米国に対する反論姿勢だ。

 (6)自民党一強時代、安倍首相の官邸主導政治の中で政府は保守色、右傾化を強めており、そのおごりだとすれば中国、韓国の思惑にはまって国際社会からの孤立を強め、立ち行かなくなる危険性はある。

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宗教国家とオウム事件。 religious state and aum affairs

2014-01-17 19:40:08 | 日記
 (1)宗教は、唯一絶対的で排他的で閉鎖的なものの代表だから、宗教力を信じないものへの影響力がどれほどのものなのか理解も出来ないし想像もつかない。
 日本は国家としてひとつの宗教に支配され拘束されない伝統文化(あえていうなら儒教思想)を持つ国だから、思想信条に究極の(ultimate)自由があるしパラドックス(paradox)としてどんなものも信じる自由もある。
 自由の保障として、政治は政教分離を理念原則として一線を画して信仰の自由も保障される。

 欧米、中東世界は、米国、英国のキリスト教社会にイランのイスラム教国とはっきりと社会思想、倫理観にひとつの宗教が支配して、宗教そのものが国是(these)、主義となっている宗教国家(religious state)もめずらしくない。

 (2)宗教が唯一絶対で排他的である特性から、それ以外の国、勢力とは相容れない主義、主張を持って過去から現在にいたるまで大きな国際戦争、紛争は宗教戦争が中心となり、近年はそれに中東の豊富な天然資源を巡って覇権主義の米国キリスト教主義国とイランのイスラム教国との長い反目、対立が続いている。

 宗教の主義、主張そのものが国家対立を生んでいるのだから、宗教が世界平和に果たした役割については記憶にないし、成果と言うものを見たこともない。唯一絶対的で排他的で閉鎖的な宗教特性をみれば、宗教は価値観が混在して多様な世界平和には無力なのはいたしかたもないところだ。
 
 (3)そんな日本で新興宗教が政治に面と向かって進出しようとし、同時多発社会的テロで国家転覆(あるいは宗教国家成立)をはかろうとしたと見るのが、一連のオウム真理教事件だ。

 オウム真理教は代表の松本智津夫ほかが国政選挙に立候補して国政参加に意欲を示したが目的を達成できずに、95年3月20日に都内の地下鉄にサリンを散布して同時多発テロを起こして日本を社会不安に巻き込んだ。
 サリンによる同時多発テロで国家転覆も目論んだのか、その後の計画を含めてどこまで大それた成算があったのか、組織的にも大それた目的を目指すほどの力があったとも思えない中で、非現実的(妄想)で無謀、刹那(せつな)な行動であった。

 (4)サリン事件を契機にオウム真理教は代表の松本智津夫をはじめ教団幹部が逮捕されて組織は解体された。松本智津夫はじめほとんどの教団幹部関係者は裁判で死刑が確定したが、一連のオウム真理教事件の本質、核心についてはついぞ同時多発サリン事件で被害を受けた社会には憎悪の実態が伝わることはなかった。

 あれから17年余の歳月、逃げのびたオウム真理教指名手配の3名が相次いで逮捕されて、昨日平田信の初公判が開かれた。
 時代は裁判員裁判に変わって被害者遺族も裁判に参加し、判決確定した死刑因3名も出廷して尋問を受けるという前代未聞の裁判だ。伝えられるところでは判決確定者からは松本智津夫への信仰心はなくなっていると言われているが、それに呼応した社会が納得できる証言は聞かれていない。いまだにオウム真理教事件は何だったのかのままだ。

 (5)せめて過酷な被害を受けた社会、被害者、遺族も参加する裁判員裁判でどう変わるのか、3月までの裁判審理だ。
 オウム真理教の教団能力で国政参加で、同時多発サリンテロで国家転覆をはかろうとすれば、あまりにも無謀で妄想、微力で狂信的であり理解に苦しむが、つながりの意図は見える。

 宗教国家では起こり得ない、究極の自由の中での無分別な自由だ。オウム真理教の解体により分派したアレフは、最近若者への勧誘活動を活発化させているとの報道もある。

 (6)社会が見過ごしてきたあるいは放置してきた究極の自由の中での自由が、その代償として社会に押し付ける対価を味わう現実だ。

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