いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

間違っても安全の海。 fail safe ocean

2014-01-22 19:33:21 | 日記
 (1)瀬戸内海は四国をはじめその他小島が点在して入り組んだ湾(gulf)で、しかも神戸、呉と船舶航路拠点の要所であり九州にかけて多くの船舶が行き交う海の難所ともいわれている。

 小島を縫うように漁船、観光船、釣り舟が行き交い、そこに大型貿易船に海上自衛艦が航行している。航行の安全を守るシステムは目視による船の位置にもとづく法的な進路優先義務、衝突回避のための右側、左側旋回の航行原則だけ(報道)だ。

 (2)瀬戸内海で起きた海上自衛艦と釣り舟の衝突事故(釣り舟2名死亡)では、船体の傷跡から双方「並走」した状態で衝突した(報道)ことがわかっている。衝突回避の航行原則が遵守されずに(判断が遅れて)重大事故に至った。

 両船ともにレーダー、全地球測位システム(GPS)、船舶自動識別装置(AIS)を備えながら安全機能しなかった。位置の識別はしてもその衝突危険を伝える危機管理システム(crisis control system)が欠落していた。

 (3)ないしは、双方が相手側の衝突回避の航行原則を信じ切っていたか(相手依存)、どちらかが遵守しなかったのか、双方とも遵守しなかったのか、双方ともまったく相手側に気付かなかったのか(目視もおろそかに機器測定確認せず)、とにかく重大事故は現実に起きて、しかもこれまでの海上保安部の捜査では両船、目撃者の航路進路の証言に食い違い(報道)が出ていて原因究明に難行している。

 (4)海と同じく空も進路が空間無限大で走行線引きなどできずに、レーダー感知によるそれぞれの航空機に高度、進路方向が決められており、上空での航空機は自動操縦航空システムが完備されており手動なしで安全飛行が保障されている。

 海の場合では小型船も多数ひっきりなしに航行して密度は空の比ではないが、あまりに安全航海の科学的システム対応が遅れている現実だ。

 (5)前述のように位置を識別するレーダー装置は備えているが、肝心の危機回避のための予知能力、警報感知システムが抜けていた。
 接近する航空機の場合は相互に通信し合うコミュニケーションが常態(スクランブルによる相手機への警告など)だが、船舶には相手船に通告、警告するシステムが警笛以外になく、この事故を受けて国もようやく通信システムで船同士が連絡、確認し合うことを検討(報道)するという非近代的な有り様なのだ。

 (6)過去からも海上自衛艦と練習船、漁船、釣り舟の衝突事故はくり返されており、重大事故にもかかわらずに検証、対策がなおざりにされた結果のまたの重大事故だ。
 どちらかが(あるいは双方が)航海ルールを遵守しなかったのではなく、無限の海での「間違っても安全」(fail safe ocean)の科学的裏付けのある船の安全航行対策の確立の急務だ。

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