いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

レトリックと現実主義。 rhetoric & realism

2024-09-10 20:22:00 | 日記
 (1)自民党総裁選は今回10人以上が立候補に意欲をみせて、それに近い人数が立候補(20人推薦せん人確保)しそうで、裏金問題を受けて派閥解消が進みこれまでの自民党派閥力学が崩壊したことが原因とみられる。
 パラドックスとして、これまでの自民党政治、政局が派閥実力者の意向、既得権益支配で動いていたことを実証するもので、10人近くの総裁選立候補が示すものはそういう人たちもこれまでの自民党政治ではほとんど声をあげられなかった人たちであり、その体制が崩壊してのふってわいた千載一遇のチャンスとして今何を言おうとその反省のもとでの自民党改革論が一向に聞かれないのはおかしい。

 (2)総裁選立候補10人近い乱立は、開かれた風通しのいい自民党の生まれ変わった姿でもなく自民党長期支配政治、政権の「タガ」(派閥力学)が外れて崩壊した末路の結果であり、だからこそ自民党大改革論がまず必要なのだ。
 立候補を表明して銀座で行った街頭演説に5千人(報道)を集めたといわれる小泉進次郎議員は国民から高い人気、期待を受けている。

 (3)この小泉氏を支持するのが同じ神奈川選挙区を別々とする菅前首相で「小泉氏に日本のかじ取りを任せたい」(報道)と応援し、これに応えて小泉氏は「私が総理、総裁になったら(私の)足りないところを私以上の力を持って支えてくれる完璧なチームを作る」と述べた。
 菅前首相の支持にレトリック(rhetoric)な言葉ではあるが、若い小泉氏は大臣経験が少なくこれまでも政策、理念論争に弱点があるといわれてつまりは自らも足りないところを「私以上」の力を持って支えてくれるチームを作るでは「私以上の力」の人が立候補すればいいようなもので、これも経験ととらえているのか国民が小泉氏に期待、支持する突破力とは違うものだ。

 (4)小泉氏を支持する菅前首相は安倍元首相時代に官房長官として官邸主導政治で支え、人事権を官邸に集約して官僚ににらみを利かせて支配政治を進めて安倍政治に都合のいい森友問題の公文書改ざん問題、事件につながったとみている。
 小泉氏の「私以上の力」からはどうしても菅前首相の(官房長官時代の)官邸主導人事権政治を連想させるものがある。

 (5)菅氏も小泉氏に安倍元首相のイメージをだぶらせているように思える。小泉氏のフレッシュさ、突破力からは離れたところにある古い自民党的構想だ。
 国民、議員、党員支持で1位を走る石破茂議員は雑誌インタビューで「アメリカに自衛隊の基地を作れ」(表題だけで中身はわからない)と踏み込んだ発言をしているようだが、かっての自民党保守派に根強くある核保有論を表明するなど保守的現実主義、思想が出てきたときに、国民がどう反応するのか注目する。

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経済再編と産業革命。 economic reorganization & the industrial revolution

2024-09-08 20:38:34 | 日記
 (1)日米、日加で注目を集める企業買収が進んでいる。経済再編(economic reorganization)はそれだけで産業革命であり、起爆剤であり、原動力(dynamism)になるものだ。日米では日鉄によるUSスチールの買収計画が進んでいて、こちらの方は粗鋼生産世界24位の企業経営危機のUSスチールを同4位の日鉄が買収するもので企業同士では合意に達しているものを、かっての米国を代表する企業のUSスチールの米国市場からの離脱に大統領選を争うトランプ前大統領、ハリス副大統領が労組票獲得を巡ってともに反対を表明して、交渉が難航している。

 (2)USスチール買収に日鉄側は全株式2兆円で取得し、完全子会社化するものだ。もうひとつ日加の方はカナダのコンビニ大手クシュタールが日本のセブン&アイを買収するもので、こちらの方は5兆5千億円~6兆円の提示があったがセブン&アイ側は「著しく過小評価している」
(報道)としてクシュタールの提案に反対を示した。

 (3)円安により日本企業の世界的な企業の買収計画が進んでいるが、日銀が利上げに踏み切って円高、ドル安が進むとみられる経済事情から利益優先主義の日本企業のかかわる大型企業買収の話題だ。
 企業のステータス、安全保障、独禁法など問題もあり複雑で日米、日加の企業買収計画もすんなりとはいかない背景はあり、問題を抱えての買収計画だ。

 (4)企業経営、業績不振のUSスチールの買収(2兆円)と世界に8万5千店舗を有するセブン&アイを1万7千店舗のクシュタールの買収(6兆円)計画(報道)では金額に3倍の開きはあるが、セブン&アイは過小評価として反対した。
 しかしセブン&アイ側も2024年最終利益が前期比で20%減で海外、国内コンビニ事業の不振が指摘されている。USスチールの事情と似ている。

 (5)そういう業界をとり巻く環境、事情とともに、政治、経済市場の影響、背景も大きくたちはだかる。米国は大統領選で候補者の労組票獲得、独禁法、日銀の利上げ転換だ。ともにスケールの大きい世界的な企業買収計画であり、経済再編による産業革命が動き出す気配も感じるもので政治、経済としても関心は高く、集まる。

 (6)国内企業の吸収、合併、事業協力で企業体質強化が進み、世界でも為替、景気に左右されない強じんな企業体質、体制を目指す経済再編の動きは加速すると考える。その先には産業革命が待ち受けるだろう。

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どちらに転んでも問題。 either way it's a question

2024-09-07 20:26:44 | 日記
 (1)日鉄によるUSスチール買収問題は企業同士は合意したが難題が持ち上がり、どちらに転んでも問題はある。沖縄米軍基地問題は沖縄に米軍がいても、いなくても問題はある。日韓慰安婦問題は新政権下で政治的妥結に至ったが、竹島領有権問題はどちらに転んでも問題はある。

 (2)日中尖閣領有権問題はどちらに転んでも問題はある。北方4島問題はもともと日本固有のもので日本に返還されても元に戻っただけで問題はないどころかそうなるべきだ。
 どちらに転んでも問題のある政治状況の中で政治は多面的に動いていくのだけれども、国民が憲法で保障する平等に公平に自由に生きていく上で格差社会の是正は取り組むべき政治課題、問題だ。

 (3)自民党議員の裏金問題は経済、人権格差社会に生きる国民がその解消に取り組むべき政治、政党、議員がその格差を助長するあきれた制度、取り組みの中で、利益、満足を支配、占有することに反発、不満、批判、反対が大きくなったことで処分されるという当然の結果だった。
 
 (4)岸田首相は当初、成長と分配の好循環による中間層を厚くする格差是正を打ち出したが安倍元首相の成長論に立ち戻り、賃上げと物価高の好循環を唱え始めて国民の支持率低迷の中で退陣となった。
 賃上げは企業経営の問題であり、物価高は政治、政策対策の問題で賃上げと物価高の好循環といっても大企業、富裕層のバイアスなアベノミクスと同じ経済構造で国民からは格差助長社会としてあきれられる。

 (5)自民党総裁選立候補者からは自民党大改革論、格差社会是正論が求められるが、核心のある話は聞かれない。菅前政権、岸田政権と1期3年の短命政権が続いて、コロナバンデミックの影響もあるがそういう時だからこそ政治の出番であり、これといって主要政策の実行もなく国民にとっては失われた不遇の6年である。

 (6)新総裁、首相は誰がなっても政権交代と向き合わされて、しばらくは短命政権が続くことは考えられる。立憲民主党も自民党裏金問題で政権交代の期待も高まりをみせているが、水を差すように立憲代表選には09年民主党政権自滅の元代表、元首相の再立候補とあっては期待感が失われてしまうものだ。

 (7)日本の政治、政権もどちらに転んでも問題はある。解決の道は世代交代論であり、その過程としての自民党大改革論であり、格差社会是正論だ。現在は総裁選で幅広い支持が求められてなかなか核心のある話、本音は聞かれないが、こちらの方はどちらに転んでもというわけにはいかない。

 (8)候補者からは主義、主張、理念、思想、信条、政策がはっきり示せて、実行力の筋道があきらかなどちらにも転ばない政治の選択ができるかだ。

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中国式パンダ外交。 panda diplomacy of china style

2024-09-06 20:14:47 | 日記
 (1)中国のパンダ外交は動物園でのパンダ見学で子どもたちに人気はあるが、日本人の中国を好きという調査比率はかなり低い。尖閣領有権を巡って連日のように中国公船が日本の領海侵犯をくり返して威圧的であり、福島第一原発処理水の海洋放出はあるが日本からの魚介類全面禁輸の対抗措置をとるなど中国は日本に対して対決姿勢を強めていることが中国への低い評価、好きでない人が多いことにつながっている。

 (2)今年8月に二階前幹事長が会長の超党派の日中友好議員連盟が訪中するその前日に、中国偵察機が日本の領空圏に接近して旋回をくり返して一時日本の領空圏の一部に進入して外交、軍事問題となった。日本政府の抗議に中国外務省は会見で調査中と述べている。
 日中友好議員団が訪中する前日に中国偵察機が日本の領空圏を侵犯する意図は不明だが、中国軍機の技術的問題でもなければ尖閣問題、台湾問題と外交、軍事問題を抱えて日本側をけん制したものなのか、不慮の事故では技術的な問題が露呈して軍事的、政治的意図があったことは考えられる。

 (3)日中間に緊張をもたらす行為であり、パンダ外交で日中友好をはかる中国の思惑とはかけ離れている。そこで中国の王毅外相はその後北京での日中友好議員連盟の二階会長らと面会した際に緊張緩和を配慮してか、ジャイアントパンダ貸与について「自分の責任で送りたい」と意欲を示して「日本を早く訪れたい」意向を示した(報道)といわれる。

 (4)中国軍機の領空侵犯がパイロットの技術的ミスと考えられる配慮のようでもあり、王毅外相の本意には11月の米大統領選でトランプ前大統領が返り咲くことに対する警戒心、対策として日本に接近して友好関係を強めたい意向があるようにも思える。
 トランプ大統領時代には米中貿易、経済戦争激化により互いに高関税を課す対決姿勢をくり返して世界経済に品不足、物価高騰の影響を及ぼして、習主席も日本に活路を求めて接近外交(日本も応えて習主席の国賓待遇での訪日が計画された)を試みた経緯がある。

 (5)今回の王毅外相のパンダ貸与に王毅外相訪日の意向もトランプ対策としての中国の意図、意向がみえるものだ。理由はどうあれアジア経済をけん引する日本と中国が友好関係を維持することは重要で必要だ。
 台湾問題は中国国内問題として別にして、尖閣領有権、領海、領空侵犯、魚介類の輸入禁輸に中国国内での日本人の安全身分保障など改善すべき問題について王毅外相の訪日で話し合うことは重要で必要だ。

 (6)パンダが取り持つ日中外交は8月、夏休みで終わりだ。政治の季節が始まる。

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ケネディ神話の完結編。 conclusive chapter of Kennedy mythology

2024-09-05 19:43:21 | 日記
 (1)「ケネディ神話」というのがあるとすれば、兄のJ.F.ケネディ元大統領、弟のロバート・ケネディ元司法長官がともに任期途中で銃撃され非業の死をとげて、それからの完結編(conclusive chapter)がどうなったかわからない、未知の「神話」だ。

 (2)ともに有能な米国、世界を動かす存在感の大きい政治家として大きな期待を持たれて、米国時代、政治社会に「改革」が期待されていただけに「神話」の完結編が見られないのは惜しい限りだ。 
 今、米国で問題となっている有史以来の人種黒人差別、銃社会に何らかの変化、進展、期待そして米国社会革命が起きていた可能性もないわけではない。核兵器競争時代にもキューバ危機の教訓から新しい時代の改革が期待できた。

 (3)そういう自由主義の革命的カリスマ性が当時のケネディ大統領、司法長官にはあった。その大統領選を目指したロバート・ケネディ司法長官の子息ロバート・ケネディ・ジュニアが現在進行中の大統領選に立候補した。
 普通ならJ.F.ケネディ、ロバート・ケネディ氏が所属した民主党からその「ケネディ神話」を継ぐものとして大きな期待を持たれての立候補というのが筋書きのはずが、ケネディ家の威光から見限られて支持もなく二大政党政治の米国では存在感のない「無所属」としての立候補だったのは意外なようで、すでに「ケネディ家」の威光、政治的影響力は過去のものとの「原話」でしかないことを示した。

 (4)ロバート・ケネディ・Jは長年環境派弁護士を務めて70才になって最後の仕事として大統領選を目指したが、民主党からではなく無所属という推されもしない泡沫候補でしかなかった。ケネディ家の威光に反した大統領選立候補だった。
 民主党がバイデン大統領からハリス副大統領に候補者変更して、ロバート・ケネディ・J候補はそのハリス候補に協力の歩み寄りをみせて断られると、今度は選挙戦略上目立つもの何でもありの対立候補の共和党トランプ候補と手を組むという無分別が利用されて、ケネディ家は「父と家族が最も大切にしてきた価値観への裏切りだ」(報道)として「悲しい物語の、悲しい結末だ」と結んだ。

 (5)ケネディ家として政治家、政治の道を目指さず(それはそれで意味はあったはずだが)、弁護士の道が長い中、人生のキャリアの最後をやはりケネディ家「神話」の大統領候補に求めた間違い、錯誤、見誤りだった。
 しかし、ロバート・ケネディ・Jの行動が比較として冒頭のような「ケネディ神話」の完結編のあるべき期待の「大きさ」と「原話」を際立たせる結果をみせることになった。

 (6)今、米国民が高令者同士の2期連続の大統領選をみせられて失望し思うのは、若い力、カリスマ性の大統領出現の期待、夢見る「ケネディ神話」なのか、しかしみせられているのはいつまでも神話ではいられない原話だ。
 「ケネディ」なら誰でもいい時代ではない。
 

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