機動新世紀ガンダムX 第19話「まるで夢を見ているみたい」
ティファに憑依しガロードたちの危機を救ったのは、かつてニュータイプパイロットの養成を行っていたルチル・リリアントであり、ジャミルも教え子の一人。
しかしサラには指導者と教え子という関係だけとは思えない。それでもジャミルの答えは「言葉には、したくない思い出もある。彼女のこともそうだ。口に出してしまったら、何か大切なものまで消えてしまうような……そんな気がするのだ。答えになって無いな」というものでした。
好意、愛情、尊敬、信頼。関係性を表す言葉は様々ありますが、そんな一言では表しきれないほど、様々な思いを抱いていたのでしょう。「愛情」では彼女の外見に魅かれたのかと誤解されかねず、「尊敬」では恋愛感情が全く無かったと自分で否定してしまうことにもなりかねない。
そしてそれはサラも同じこと。サラが自分の感情を口にしてしまえば、全てはジャミルへの思い故ということになり、彼女が万が一無茶をした時もジャミルを慕っていたからということにもなりかねません。身近な人間に思いを伝えることの難しさが描かれていました。
また、二人の会話は部屋のドアが開いたままで行われました。ドアを開けっぱなしにしたのはサラであり、ジャミルもそれを咎めぬまま会話が繰り広げられ、その会話を偶然聴いたガロードが粋な計らいをすることとなります。
ドアを開けっぱなしにしていたのは、何もガロードに聞かせようとしたのではなく、サラなりに逃げ道を用意しておきたかったのかなと。敢えて「誰かに聞かれているかもしれない会話」にすることで、互いに本音を語らなくてもいいようにしていたのかもしれません。ジャミルの口からはっきりとルチルへの想いを聴きたくない、自分の想いを明かしたくはない。そんなサラの複雑な心境が、あのドアの隙間で表現されているように感じました。
前述したとおり、今回のガロードは粋な計らいをしたほか、ジャミルの想いを汲んだ提案をするといった戦闘以外のフォローが光ります。何よりもティファがルチルに憑依されても一切動じないあたり、ティファからの言葉を信じているのが伺えます。彼もどんどん成長していきますね。
一方ガロード以上にルチル救出に際して集中力を高めていたのがロアビィでした。作戦中は使用が禁止されている娯楽室での彼とサラとの一幕では、普段の態度は辛い感情の裏返しなのかもしれないと感じさせられました。何だかんだで彼も18歳。現代に置き換えれば高校生ぐらいです。世界が世界とはいえ、喪失を受け止めるのは簡単な話ではないのでしょう。
Lシステムとフラッシュシステムを巡る戦いの果ては、ジャミルとルチルの心が重なったことで決着を迎えることとなりました。そして「こんなもの」との決別のシーンでは、ガンダムエックスの左目の光が消えているように見えます。単に影になっているだけかもしれませんが、搭乗者が同じく左目に傷を負うジャミルだからこその演出のようにも見えました。
彼女は幸せだったのか、それを知るのは本人だけ。ここで「ジャミルと再会できたんだから幸せだった」などと決めつけないのが良いんですよね……ティファが感じた「温かく安らいだ気持ち」が「幸せ」の表れだったことを願うばかりです。
そんなこんなで次回は陸に戻ってお買い物。ティファがガロードにソフトクリームを食べさせるシーン、大好きです。
ティファに憑依しガロードたちの危機を救ったのは、かつてニュータイプパイロットの養成を行っていたルチル・リリアントであり、ジャミルも教え子の一人。
しかしサラには指導者と教え子という関係だけとは思えない。それでもジャミルの答えは「言葉には、したくない思い出もある。彼女のこともそうだ。口に出してしまったら、何か大切なものまで消えてしまうような……そんな気がするのだ。答えになって無いな」というものでした。
好意、愛情、尊敬、信頼。関係性を表す言葉は様々ありますが、そんな一言では表しきれないほど、様々な思いを抱いていたのでしょう。「愛情」では彼女の外見に魅かれたのかと誤解されかねず、「尊敬」では恋愛感情が全く無かったと自分で否定してしまうことにもなりかねない。
そしてそれはサラも同じこと。サラが自分の感情を口にしてしまえば、全てはジャミルへの思い故ということになり、彼女が万が一無茶をした時もジャミルを慕っていたからということにもなりかねません。身近な人間に思いを伝えることの難しさが描かれていました。
また、二人の会話は部屋のドアが開いたままで行われました。ドアを開けっぱなしにしたのはサラであり、ジャミルもそれを咎めぬまま会話が繰り広げられ、その会話を偶然聴いたガロードが粋な計らいをすることとなります。
ドアを開けっぱなしにしていたのは、何もガロードに聞かせようとしたのではなく、サラなりに逃げ道を用意しておきたかったのかなと。敢えて「誰かに聞かれているかもしれない会話」にすることで、互いに本音を語らなくてもいいようにしていたのかもしれません。ジャミルの口からはっきりとルチルへの想いを聴きたくない、自分の想いを明かしたくはない。そんなサラの複雑な心境が、あのドアの隙間で表現されているように感じました。
前述したとおり、今回のガロードは粋な計らいをしたほか、ジャミルの想いを汲んだ提案をするといった戦闘以外のフォローが光ります。何よりもティファがルチルに憑依されても一切動じないあたり、ティファからの言葉を信じているのが伺えます。彼もどんどん成長していきますね。
一方ガロード以上にルチル救出に際して集中力を高めていたのがロアビィでした。作戦中は使用が禁止されている娯楽室での彼とサラとの一幕では、普段の態度は辛い感情の裏返しなのかもしれないと感じさせられました。何だかんだで彼も18歳。現代に置き換えれば高校生ぐらいです。世界が世界とはいえ、喪失を受け止めるのは簡単な話ではないのでしょう。
Lシステムとフラッシュシステムを巡る戦いの果ては、ジャミルとルチルの心が重なったことで決着を迎えることとなりました。そして「こんなもの」との決別のシーンでは、ガンダムエックスの左目の光が消えているように見えます。単に影になっているだけかもしれませんが、搭乗者が同じく左目に傷を負うジャミルだからこその演出のようにも見えました。
彼女は幸せだったのか、それを知るのは本人だけ。ここで「ジャミルと再会できたんだから幸せだった」などと決めつけないのが良いんですよね……ティファが感じた「温かく安らいだ気持ち」が「幸せ」の表れだったことを願うばかりです。
そんなこんなで次回は陸に戻ってお買い物。ティファがガロードにソフトクリームを食べさせるシーン、大好きです。