毎年この時期は「ハクメイとミコチ」の新刊が楽しみです。というわけで「ハクメイとミコチ」第13巻を読みました。
今回はコンジュの部屋での賑やかな一晩を描いた第99話「窮屈な夜」から、珍しくイワシが建築以外にも興味を抱く第107話・第108話「牛の大きさ」前後編まで収録されています。目次にはジャダに髪を整えてもらったであろうキャラクターたちがいるのですが……ツインテールのセン、可愛すぎでは?
今巻で第100話という大台に乗ったわけですが、第100話はカーネリアンから急遽劇団員の髪を仕立てて欲しいと依頼を受けたジャダが、様々な要望に頭を悩ませつつもどこか楽し気に髪を整える「美容師と劇団員」となっています。正直温泉の時みたいな大盛り上がりを見せるのかと思いきや、ハクメイもミコチも出てこない意外な話ではありましたが、ハクメイとミコチが出てこなくても十二分に話が展開できるほどに、魅力的なキャラクターたちがいるということの表れでもあると感じました。初登場時はカーネリアンを避けていたジャダが、今となっては……と、ラストシーンからも関係性の変化が読み取れる、良い話でしたね。
個人的なお気に入りは、まずは第102話「司書と青空図書館」。司書のキアンさんが仲間と共に年に一度の青空図書館を開催するお話。思いがけないトラブルや子供への配慮等で忙しなくしつつも、本を愛する人たちと楽し気に交流するキアンさんたちが描かれています。司書といえばキアンさんともう一人(一匹)の方の出番が多めですが、他の方々は今回が初めましてでしょうか?読み直しても映っていなかったような……猫のタマキリくん、まるまるとした顔と垂れた耳と笑顔が可愛くて好き。主役回ください。
で、キアンさんが登場するということはもちろん……キアンさんの隣に立つ司書さんの表情が良い味を出していました。(笑。
また、ちょっと意外だったのは、講演会に読んだ先生の著書について。様々な種族が共に暮らすこの世界において、ああいった本を書くにあたってはどのような点に気をつけているのか?万人向けと特定の種族向けがあるのか?などと、これまで本作で見られなかった要素なので少々気になって考えてしまいました。
続いては第103話「水甕と姉弟」。蜂蜜館の最古参の一人で、バー「いかさまハルツ」を営むシュンカさんと、同じく最古参の一人・旋毛丸のお話。第6巻に収録されている第41話「夜更けのバー」などでは余裕のある大人の雰囲気を漂わせ、みんなにとっては頭が上がらない存在のシュンカさん。そんな彼女が実は旋毛丸とは幼馴染的な関係にあるようで。これまでのシュンカさんとは一味違った、ちょっと生意気な弟に接する可愛いお姉ちゃんなシュンカさんが見られます。
また、旋毛丸がイケメンなのは相変わらずですが、シュンカさんから空き瓶を運ぶように言われた時の行動がね!もうね!彼女のバカ力を知ったうえでのあの行動!カッコよすぎるでしょ……シュンカさんに、あの鱗がジャラジャラ鳴るコートを着た旋毛丸を見せたらどんなことを言うのか聞いてみたい……と思いましたが、第9巻に収録されている第66話で見てはいるのか……どんな会話があったんだろうなぁ。
そして第107話・第108話「牛の大きさ」前後編!会長からもらった新聞に牛による被害が掲載されていたことから、牛に興味を持ったイワシ。そこで一瞬とはいえ牛を見たことがあるハクメイが、ミコチを伴って三人で牛のような廃墟を見に行くのが前編。そこから望遠鏡で牛が見えると噂されている場所に行くのが後編となっています。
第9巻に収録されている第73話「大きな集会」ではカテン(ハクビシン)やスズミさん(ヨーロッパアナグマ)といった大きな種族たちの周回にハクメイとミコチがお呼ばれしたことがありましたが、今回話題に挙がった牛はそれ以上の大きさ。新聞や本で調べるだけでは分からない、未知の存在に興味津々のイワシが可愛らしく、第107話のラストシーンなんか、もうね……あんなん見せられたら、そりゃ第108話の流れになりますわと。
こういったスケールの大きなものを見た時に圧倒される感覚は私にも覚えがあります。遠近感が狂うと言いますか、普段見ている「大きなもの」が、「更に大きなもの」の中にポツンとあることに物凄い違和感を覚えると言いますか。とにかくそのスケールに圧倒されると共に、妙な感動を覚えるんですよね。
で、第108話では噂の場所へと赴くのですが、ここでトラブル発生。イワシにとっては一大事なのですが、申し訳ないことに個人的にこのトラブルは嬉しかったです。だって、ああいったトラブルが発生するってことは、次以降でトレモさんの出番があるかもしれないじゃないですか!(笑。ミコチとトレモさんが一緒になって繕う姿とか見てみたいなぁ……なんなら作者ご本人様遂に!みたいな展開とか、ないかなぁ。
といった感じで、今回も関係性の進展や新たな一面が見られてとても楽しかったです。紹介した以外の話ももちろん楽しく読ませていただきました。第101話「思い出せない店」のラスト、良いよね……寂しさと懐かしさが入り混じったあの感じ、まさに「思い出せない店」って感じで凄く好き……
今回はコンジュの部屋での賑やかな一晩を描いた第99話「窮屈な夜」から、珍しくイワシが建築以外にも興味を抱く第107話・第108話「牛の大きさ」前後編まで収録されています。目次にはジャダに髪を整えてもらったであろうキャラクターたちがいるのですが……ツインテールのセン、可愛すぎでは?
今巻で第100話という大台に乗ったわけですが、第100話はカーネリアンから急遽劇団員の髪を仕立てて欲しいと依頼を受けたジャダが、様々な要望に頭を悩ませつつもどこか楽し気に髪を整える「美容師と劇団員」となっています。正直温泉の時みたいな大盛り上がりを見せるのかと思いきや、ハクメイもミコチも出てこない意外な話ではありましたが、ハクメイとミコチが出てこなくても十二分に話が展開できるほどに、魅力的なキャラクターたちがいるということの表れでもあると感じました。初登場時はカーネリアンを避けていたジャダが、今となっては……と、ラストシーンからも関係性の変化が読み取れる、良い話でしたね。
個人的なお気に入りは、まずは第102話「司書と青空図書館」。司書のキアンさんが仲間と共に年に一度の青空図書館を開催するお話。思いがけないトラブルや子供への配慮等で忙しなくしつつも、本を愛する人たちと楽し気に交流するキアンさんたちが描かれています。司書といえばキアンさんともう一人(一匹)の方の出番が多めですが、他の方々は今回が初めましてでしょうか?読み直しても映っていなかったような……猫のタマキリくん、まるまるとした顔と垂れた耳と笑顔が可愛くて好き。主役回ください。
で、キアンさんが登場するということはもちろん……キアンさんの隣に立つ司書さんの表情が良い味を出していました。(笑。
また、ちょっと意外だったのは、講演会に読んだ先生の著書について。様々な種族が共に暮らすこの世界において、ああいった本を書くにあたってはどのような点に気をつけているのか?万人向けと特定の種族向けがあるのか?などと、これまで本作で見られなかった要素なので少々気になって考えてしまいました。
続いては第103話「水甕と姉弟」。蜂蜜館の最古参の一人で、バー「いかさまハルツ」を営むシュンカさんと、同じく最古参の一人・旋毛丸のお話。第6巻に収録されている第41話「夜更けのバー」などでは余裕のある大人の雰囲気を漂わせ、みんなにとっては頭が上がらない存在のシュンカさん。そんな彼女が実は旋毛丸とは幼馴染的な関係にあるようで。これまでのシュンカさんとは一味違った、ちょっと生意気な弟に接する可愛いお姉ちゃんなシュンカさんが見られます。
また、旋毛丸がイケメンなのは相変わらずですが、シュンカさんから空き瓶を運ぶように言われた時の行動がね!もうね!彼女のバカ力を知ったうえでのあの行動!カッコよすぎるでしょ……シュンカさんに、あの鱗がジャラジャラ鳴るコートを着た旋毛丸を見せたらどんなことを言うのか聞いてみたい……と思いましたが、第9巻に収録されている第66話で見てはいるのか……どんな会話があったんだろうなぁ。
そして第107話・第108話「牛の大きさ」前後編!会長からもらった新聞に牛による被害が掲載されていたことから、牛に興味を持ったイワシ。そこで一瞬とはいえ牛を見たことがあるハクメイが、ミコチを伴って三人で牛のような廃墟を見に行くのが前編。そこから望遠鏡で牛が見えると噂されている場所に行くのが後編となっています。
第9巻に収録されている第73話「大きな集会」ではカテン(ハクビシン)やスズミさん(ヨーロッパアナグマ)といった大きな種族たちの周回にハクメイとミコチがお呼ばれしたことがありましたが、今回話題に挙がった牛はそれ以上の大きさ。新聞や本で調べるだけでは分からない、未知の存在に興味津々のイワシが可愛らしく、第107話のラストシーンなんか、もうね……あんなん見せられたら、そりゃ第108話の流れになりますわと。
こういったスケールの大きなものを見た時に圧倒される感覚は私にも覚えがあります。遠近感が狂うと言いますか、普段見ている「大きなもの」が、「更に大きなもの」の中にポツンとあることに物凄い違和感を覚えると言いますか。とにかくそのスケールに圧倒されると共に、妙な感動を覚えるんですよね。
で、第108話では噂の場所へと赴くのですが、ここでトラブル発生。イワシにとっては一大事なのですが、申し訳ないことに個人的にこのトラブルは嬉しかったです。だって、ああいったトラブルが発生するってことは、次以降でトレモさんの出番があるかもしれないじゃないですか!(笑。ミコチとトレモさんが一緒になって繕う姿とか見てみたいなぁ……なんなら作者ご本人様遂に!みたいな展開とか、ないかなぁ。
といった感じで、今回も関係性の進展や新たな一面が見られてとても楽しかったです。紹介した以外の話ももちろん楽しく読ませていただきました。第101話「思い出せない店」のラスト、良いよね……寂しさと懐かしさが入り混じったあの感じ、まさに「思い出せない店」って感じで凄く好き……