十二月大歌舞伎座 2回目

2022-12-23 03:29:12 | 古典芸能






七之助丈の揚巻、初日とは思えぬ貫禄!

まさか、松緑さんで髭の意休を観ることができるなんて!

ぼたんちゃん、更に進化してた!ほんと、おそろしい子!藁

ということで、遅ればせながら七之助揚巻初日を観てきました。

先ずは、ぼたんちゃんの團十郎娘。

いやいやいやいやいやいやいやいや、

めちゃくちゃ表情が豊かになっていてビックリ!笑顔にめちゃくちゃ色気があった!

あれは、もはや子供の演技じゃない!本当に素晴らしい團十郎娘でした。

そしてそして、今回のメインは七之助丈の揚巻。

いやいやいやいやいやいや、とても初日とは思えぬ貫禄(2回目w)と安定感、アッパレでございました。

七之助丈の揚巻と梅枝君の白玉を見て、

梅枝君の白玉もなかなか良かったんよ。揚巻も似合うかも!とは思いましたが、

七之助丈の揚巻を観て思ったのが、確かに梅枝君は阿古屋や奇稲田姫のような悲劇のヒロインはピッタリ、絵になる!

だが、揚巻には実はユーモアのセンスがないといけないのでは?と七之助丈を観て思った。

七之助丈は女形ではあるけれど、勘九郎さん同様、お父様の勘三郎さんの血を引いているだけあって多芸多才な面があるから、揚巻の人間の大きさが自然に表れていた。

揚巻は、美しければそれでヨシとずっと思ってましたが、玉三郎さんと七之助丈の揚巻を観させてもらって、揚巻は決して悲劇のヒロインではないから美しいだけでは駄目。揚巻もまたお江戸、江戸っ子の花魁の風貌、粋さが必要であることを七之助丈と梅枝君を観て気付かされました。

梅枝君も玉三郎さんのお墨付きを頂戴されているので、いつか揚巻をする日が来ると思います。ひょっとしたらそう遠くないかも。ビジュアルは完璧なのであとは表情やね。おそらく苦手であろうコメディー系にも挑戦して分厚い殻を破って大輪の花を咲かしてもらいたいです。

今回は、七之助丈メインでチケット取ったのに、梅枝君頑張って!と思って観てしまっていた。

七之助丈は、全然文句なし。七之助丈と白猿さんの並びの新鮮さ。そこに松緑さんと勘九郎さん、更に玉三郎さんが居並ぶことで更に新鮮さが増し、ここ数年あじわうことがなかったワクワク感がありました。

今月の髭の意休は彌十郎さんでしたが体調不良で休演となり、十一月公演に続き松緑さんが代役。

彌十郎さんの体調も心配ではありますが、まさか松緑さんで髭の意休を観られるとは思っていなかったので、ただでなくても團十郎白猿さんの襲名公演で豪華役者陣が揃い、役替わりもあって更に賑やかな公演になっているなかで、松緑さんの髭の意休を観られるなんて!かつて三之助と称された白猿さんとの絡み(十一月では旧三之助集結!)に激萌え!

彌十郎さんには申し訳ないですが、ワタクシ個人としては、眼福でございました。

やはり、松緑さんはヒール役が似合う!しかも声がめちゃくちゃ良い!

できることなら、旧三之助で三人吉三が観たい!!叶わぬ夢かな…?

猿之助さんのアドリブは、パリ公演の思い出でしたね。発音のネタが面白かった!

本当に本当に豪華な役者陣が揃い、普段は観ることが出来ない演目と顔合わせなだけに本当に眼福で贅沢な二日間でした。


白鸚さんもしかり、彌十郎さんの早い回復を祈ると共に、今回の襲名公演のように同世代が分裂せず、若手も先輩も大御所も分け隔てなく集結して歌舞伎を盛り上げてもらいたいと切に願う團十郎白猿さんの襲名公演でした。