4月2日の10時半、明治神宮の原宿側の大鳥居が封鎖されていた、なにがあったのか、胸にバッジをつけた180センチぐらいの茶色に日焼けしたオトコが、
「ワキの車道を お通りください」
それ以上は言わない、しかたない、右側の道を行く、今度は民間のガードマン、
「どーなってんだい」
「それが、あーた」
「あーた」ときた、
「天皇皇后両陛下がいらしゃってんですよ」
「そーだったのか」
これが、民間とお上(かみ)のちがいか、さっきのマッチョはSPか皇宮ケーサツだろう、
「シンブンかテレビでホードーした」
「しなかったんじゃあないですか」
事情がわかった、行けるとろまで行こう、外人のツアーのケツにつく、だが、拝殿前でストップ、かたわらの婦人が、
「外人さんがかわいそうね」
「タイワンの人たち 知らなかったんでしょ」
わたしが、
「なんのギョージなんです」
「昭憲皇タイゴーの記念の行事でしょー」