二人は、AとK、K君が、
「1940年代のある日、ドイツを訪問した秩父宮一行を、あのヒトラーが迎える、その席上で、ソビエト‣ロシアのスターリンを批判した」
「犬猿の仲だったね」
「口をきわめてののしる、罵詈雑言の嵐だ、悪口は、ここに極まれり、それを、あのチョーシでやってのけた」
「ほーう」
「すると、すっくと立ち上がった東洋の貴公子が、Kings English で、
『いかなる事情、いかなる理由があるにせよ、かかる公(おおやけ )の席上で、一国の代表を批判するのはいかがなものか、それは、gentleman の礼儀にそむくものではないでしょうか 』 」
「やるね」
「いならぶナチス・ドイツの面々、ゲッペルス・ヒムラー・ルドルフ‣ヘス、シャハトはいたかな、そしてヒトラー、
『ポカーン』 」
「アーリアン民族を人類最高と信じるヒトラーが、ボーゼンとする」
「そんなエピソードがあったのか」
「だから、つい最近まで、秩父宮を尊敬し慕う人々が多かったんですね」