ドイツ話し、つづく、
「ヒトラーの病気については触れたが、ちょっと気になることがある」
「ほほう」
「ひとつは、彼らの優生保護法の実験、アーリア人種は人類最高だと信じた彼らは、容姿容貌にすぐれ、頭脳と運動能力にめぐまれた男女を結婚させ、優秀なアーリア人種の子孫の生産を試みた」
「”Newsweek”が特集を組んだことがある」
「見たんだ」
「ああ、おもくろい、いや、おもしろい」
「だが、その後、ノーベル賞クラスの学者やオリンピックの金メダル‣レベルの若者が出たという話しは伝わってこない」
「そこだね」
「遺伝子だけではダメということだろう」
「ナチスの子供たちには、風当たりが強かった、それこそ、差別された」
「今のネット社会なら、どうだったろう」
「おもしろいなあ」
「アメリカの大学図書館にアクセスして、貴重な資料を閲覧できる」
「そういうグループが出てきている、たしかに」
「ふふふ、ひとつの文化、いや、文明が誕生する可能性が、なくはない」
「まだ、あるんじゃあないのかな」
「ナチスの科学者たちが、ミョーな研究をしていた」
「チベット仏教の神秘主義かな」
「今まで、たんなるオカルト趣味ぐらいに考えられてきたが、どうも、それだけではなさそうなのだ」
「ナチスは、学問を冷遇することはなかった」
「そうだったね、フロイドはユダヤ人だが、ユングはドイツ人、潜在意識の研究は温存された」
「オカルトでないのは、なにかな」
「そのひとつが、UFOだね、UFOの開発、この研究はアメリカに渡る、アメリカ政府は、それをカモフラージュ するために『UFO宇宙人説』をframe up(でっち上げ)したんだな」
「1950年代には、しきりに出没していた」
「オモテに出ることは、いつの時代だって、ほんの一部だよ」
「電子レンジやステルス戦闘機は、その研究にヒントを得たのかな」
「かもね」