いつも行くカフェはテラスから原宿の十字路が見下ろせる、ところが、テラスの入り口に「カタヅケのため入れません」という張り紙、
「はてな」
当局の指導ではあるまいか、しかたない地下鉄の駅に向かう。
道の左側にカフェ、ブレンドが450円、
「特別な製法なんです」
一口、ゴクリ、なんのことはない、スタバのケニアのほうがいいくらいだ、450円はたかいなあー、センの細い女店員に、
「タイヘンな警備だったよ、あそこまでやる必要はあるのかな」
「なにがあったんです」
「両陛下が来ているらしい、まったく知らなかった、新聞やテレビで報道したかな」
すると、
「いつも、トツゼンなんですよ」
国技館で相撲を見たが、受付で持ち物検査、なかに入って天覧相撲であることを知らされた、前の列に黒人女性がいたのだが、皇后陛下にハクシュ・ハクシュ・ハクシュ、黒い顔を真っ赤にしていた、意外な発見だった、
なにやら、日本の社会が動き始めているようだ、政府の切れ者は、この動きをどう利用するのか、ところで、こういった重要な行事に参加できるのは崇敬会のメンバーなのだが、崇敬会は、地方の名士や資産家・県会議員たちで構成されているようだ。
この国の保守層の中核ということになる、神宮の休息所で彼らを観察する機会があった、ものを考えていない・ものを考える習慣がない、いや、ものを考える能力が欠落している、そんな人たちがいた、きっと先祖代々の名家に生まれて、恵まれすぎているんだろう、左のインテリがバカにする理由かもしれない。
どっちもどっちだ、左に揺れた振り子が、右に揺れているのだろうか、ほどほどのバランスがほしいものだ。