「ヒトラーがパーキンソー病だったと診断したのは、日本のお医者さん」
「ほーう」
「当時の記録映画を見て診察、ほほはゆるみ、目はどんより、手はぶるぶる、足はよろよろ、ぼろぼろと食べ物をこぼす、これらからの総合判断だ」
「ほほう」
「ところがだ」
「うん」
「ある日の会議、背筋はシャキーン、目にはイナズマ、カミナリのような声、いならぶ閣僚をシッタゲキレイ、
〝 ハイル ヒットラー 〝 」
「どうなっているんだい」
「この病気の特効薬がアンフェタミンつまり覚醒剤、どうやら、これを服用していたらしい」
「ドイツ軍も利用していた、不眠不休のコーゲキを可能にさせた、その後は睡眠薬を飲用させ、体力の回復を図る」
「ニッポンは」
「徹夜の労働には猫目錠、過酷な戦闘には突撃丸」
「その中身は」
「メタンフェタミンだね、アンフェタミンと化学式は酷似している、ヒーコキ乗りには、軍医が処方した」
「あるパイロットは、一晩に5機を撃墜する、すでに双発の戦闘機だったがね」
「5機、B29クラスかな」
「その前のタイプじゃあないかな、これは、日本の航空戦闘史上の新記録だったと思う」
「その成果は突撃丸のせいかね」
「本人は否定していたと思う、だが、気分が落ち着いて、不安や恐怖心が消えたことは肯定している」
「あの戦争の後、ドイツでは、この習慣が残存することはなかった、だが」
「なるほど」
「日本では継続し、あのヒロポンの流行となる」
「その原因は」
「民族性の違いという意見が、強いようだ」