二銭銅貨

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晩菊・水仙・白鷺

2006-04-04 | 読書ノート
晩菊・水仙・白鷺/林芙美子

講談社、文芸文庫

映画「晩菊」の元になった短編が表題の3編。その他に、松葉牡丹、牛肉、骨の3編からなる。表題の前半3編は、内容が似た感じの短編で中年の女性の気持ちを表現したもの。後半はかなり暗くて、逃げ場の無い、苦しい感じの短編3編です。前半のものは、まあ、なんとか感じはつかめましたが、後半3編の気分をしっかり味わうには、自分はまだ未熟なようです。死ぬ間際になったら、こんな感じも理解できるようになるのかと思う。あるいは、林芙美子のような人生を経験しなければ理解できない世界なのかも知れない。

前半3編にしても、この雰囲気は自分には難しすぎると感じました。女性達の過去がすご過ぎて、ちょっと、それがどんな感じなんだか想像を絶します。子供たちとの接し方についても、自分の経験と知識の範囲をはるかに超えている感じがしました。

牛肉という、株屋のじいさんの話が一番印象に残っています。無残な話です。東京空襲で、東京中が焼け野原になってしまう所から始まる短編ですが、じいさんの心も焼け野原です。無残です。

この短編集の6編を読んだ感じは、
呆然として、何も理解できず、何も考える事ができず、
何もすることができず、ただ、ただ、体が凍りつく感じ、
でした。

どの6編とも、それぞれ読みごたえのある短編です。ちなみに、前半3編は映画とはだいぶ雰囲気が違っているように感じました。
06.03.xx
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