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友人フリッツ/洗足学園2014

2014-11-15 | オペラ
友人フリッツ/洗足学園2014

作曲:マスカーニ、指揮:松下京介
演出:ダーリオ・ポニッスィ
演奏:SENZOKUオペラ管弦楽団
出演:フリッツ:勝又康介、スゼル:薮田瑞穂
   ダヴィッド:吉川賢太郎、べっぺ:小泉詠子
   フェデリーコ:畠伸吾、アネッツォ:後藤春馬
   カテリーナ:茂木真由美

文化庁委託事業「平成26年度、次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」での公演。舞台は屋敷の中と農園をそれぞれ大きなセットで作ったもので、ある程度本格的。

時代はナチス台頭の頃。フリッツたちがナチス風の敬礼をしたり、ナチスかぶれの若者が二人、黙役で登場したりする。彼らの張ったポスターをフリッツが引きちぎる場面もあった。2、3幕目の間奏曲の所ではこの2人がべっぺをいたぶって、挙句に1人がべっぺを拳銃で処刑しようとし、1人が止めに入る場面が演じられた。そのあと2人はべっぺの仲間に負い立てられて退場し、べっぺは難をのがれる。最近の世界的な民族意思の高まりや紛争、テロを意識した批評的な演出。フリッツとスゼルの農園での重唱では屋外に干された数枚のシーツが使われた。定番とは言え、効果的だった。ちょっと古い映画の面影を残した演出に感じた。出演者の大きな身振りのマイム、ボディランゲージも印象的だった。良い演出だと思う。

演奏には活力があり迫力に分厚さを感じた。2、3幕目の間奏曲には荒々しさがあった。

勝又と薮田は前半を抑え気味にしてラストを全開で歌った。大きなオーケストラとのアンサンブルだったが良く声が出ていた。吉川はものすごく強く鋭い感じのバリトンで、声が良く響いて気迫がすごかった。小泉の声は安定していて、低めの所が美しく声量が十分にあった。何よりもマイムがダンスになっていて踊りがうまい。キビキビと良く動いて小気味良く、ズボン役がぴったりとハマり、またミュージカルスターのようでもあった。

14.10.24 洗足学園、前田ホール

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