ファウスト(日本オペラ振興会)2024
作曲:グノー
指揮:阿部加奈子
演出:ダヴィデ・ガラッティーニ・ライモンディ
美術・衣裳:ドミニコ フランキ
演奏:東フィル
合唱:藤原歌劇団合唱部
バレエ:NNIバレエアンサンブル、
ソリスト:浅田良和、日髙有梨
出演:ファウスト:村上敏明、
メフィストフェレス:アレッシオ・カッチャマーニ
マルグリート:砂川涼子
ヴァランタン:岡昭宏
シーベル:向野由美子
ゲネプロ:
ファウスト:澤﨑一了
メフィストフェレス:伊藤貴之
マルグリート:迫田美帆
ヴァランタン:井出壮志朗
シーベル:但馬由香
ブラウン管テレビのような構造の大きなセットが3台。このセットの内側からプロジェクションで表面に画像を映し出していたようだ。画面は布のようなスクリーンで、この装置を動かすと画面がゆらゆらと微妙にゆれる。これが何かこの舞台の、あるいは世の中の揺らぎ、あるいは不安定さを象徴しているようで面白かった。画像はセピアっぽい色合いで布地に描かれた絵のような雰囲気で渋い。数分に1度程度の高頻度で画像が変化して行く。3台のセットが様々に動かされて、効果的な照明と共にバリエーションに富んだ舞台が実現されていた。時には画面側では無くセットの側面を使って暗い部屋を表現したりもしていた。素朴な装置の割には豪華な印象を与えていて、とても良いアイディアの装置だと感じた。
衣装は暗めで地味ながらも、原作当時の時代設定を感じさせる豪華な衣装だった。
多彩な合唱が用意されていて、合唱団はそれを美しく迫力のある声で演奏した。楽しい。
グランドオペラならではのバレエ時間も用意されていて10分程度の本格的なバレエも披露された。コールド、ソロ、パドゥドゥが2回づつ程度あって、楽しい。衣装は黒基調だったが、衣装も振り付けも概ねクラシックな感じで構成されていた。
村上敏明は本格的に声が枯れてしまった。後半に行くにしたがってひどくなって行ったので相当大変だったのではないかと思うが、芝居の方はしっかりとファウストを演じた。声が枯れたファウストは彼自身の心のすさみの表現だと思えなくもなかった。カッチャマーニは迫力のある硬質なバスで強い威力を感じさせた。芝居に余裕があって安定感がある。砂川は昔より少し強めになったかなと感じたが、美しい声でマルグリートを歌った。澤﨑は声量があって安定していて綺麗な声。高い音も破綻なく出ていて、一番高い声もなんとかクリアしたようだった。伊藤は柔らかい感じのバス。迫田は美しく強い声のソプラノ。岡と井出はそれぞれ真面目な感じのバリトン。向野と但馬はそれぞれ安定感のあるメゾだった。
演奏はメリハリが効いていて迫力があった。しかしながら荒っぽい感じでは無くて、きちんと整った印象でもあった。
24.01.27 東京文化会館
作曲:グノー
指揮:阿部加奈子
演出:ダヴィデ・ガラッティーニ・ライモンディ
美術・衣裳:ドミニコ フランキ
演奏:東フィル
合唱:藤原歌劇団合唱部
バレエ:NNIバレエアンサンブル、
ソリスト:浅田良和、日髙有梨
出演:ファウスト:村上敏明、
メフィストフェレス:アレッシオ・カッチャマーニ
マルグリート:砂川涼子
ヴァランタン:岡昭宏
シーベル:向野由美子
ゲネプロ:
ファウスト:澤﨑一了
メフィストフェレス:伊藤貴之
マルグリート:迫田美帆
ヴァランタン:井出壮志朗
シーベル:但馬由香
ブラウン管テレビのような構造の大きなセットが3台。このセットの内側からプロジェクションで表面に画像を映し出していたようだ。画面は布のようなスクリーンで、この装置を動かすと画面がゆらゆらと微妙にゆれる。これが何かこの舞台の、あるいは世の中の揺らぎ、あるいは不安定さを象徴しているようで面白かった。画像はセピアっぽい色合いで布地に描かれた絵のような雰囲気で渋い。数分に1度程度の高頻度で画像が変化して行く。3台のセットが様々に動かされて、効果的な照明と共にバリエーションに富んだ舞台が実現されていた。時には画面側では無くセットの側面を使って暗い部屋を表現したりもしていた。素朴な装置の割には豪華な印象を与えていて、とても良いアイディアの装置だと感じた。
衣装は暗めで地味ながらも、原作当時の時代設定を感じさせる豪華な衣装だった。
多彩な合唱が用意されていて、合唱団はそれを美しく迫力のある声で演奏した。楽しい。
グランドオペラならではのバレエ時間も用意されていて10分程度の本格的なバレエも披露された。コールド、ソロ、パドゥドゥが2回づつ程度あって、楽しい。衣装は黒基調だったが、衣装も振り付けも概ねクラシックな感じで構成されていた。
村上敏明は本格的に声が枯れてしまった。後半に行くにしたがってひどくなって行ったので相当大変だったのではないかと思うが、芝居の方はしっかりとファウストを演じた。声が枯れたファウストは彼自身の心のすさみの表現だと思えなくもなかった。カッチャマーニは迫力のある硬質なバスで強い威力を感じさせた。芝居に余裕があって安定感がある。砂川は昔より少し強めになったかなと感じたが、美しい声でマルグリートを歌った。澤﨑は声量があって安定していて綺麗な声。高い音も破綻なく出ていて、一番高い声もなんとかクリアしたようだった。伊藤は柔らかい感じのバス。迫田は美しく強い声のソプラノ。岡と井出はそれぞれ真面目な感じのバリトン。向野と但馬はそれぞれ安定感のあるメゾだった。
演奏はメリハリが効いていて迫力があった。しかしながら荒っぽい感じでは無くて、きちんと整った印象でもあった。
24.01.27 東京文化会館
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