ジルベール・コクトー
わが人生に咲き誇りし 最大の花よ
「嫌い」で検索したら、「好き」なコミックが紹介されていた。
「風と木の詩」 竹宮恵子 小学館
冒頭の詩で始まるこの古い作品を、リアルタイムで読んでいた。
しまいこんでいた全17巻を、押入れから引っ張り出す。
寄宿舎で過ごす美少年、セルジュとジルベールの心のもつれ合いが、ドラマティックだ。
「Non」という、おフランスなセリフも、確かにゾクゾクする。(笑)
ああ、そうだった。
当時、若かったせいもあり、4巻目で登場したオーギュがジジ臭く思えて、
その魅力に気づかなかった。(笑)
今なら青い2人より、タイプかも。
彼は冷たく見えて、けっこう人間臭い。
嫉妬したオーギュが、2人をマルセイユの邸に呼びよせるところが、
個人的にはクライマックス。
だってセルジュまで…、ああ!
ゴリエでなくても、オーギュの前では「Oui」と言ってしまうだろう。(笑)
誰もが詩人
セルジュとジルベールがかけおちした後、オーギュは出てこない。
その後、ジルベールに「会う」オーギュの悲しみは、描かれていなくても想像を絶する。
相手を支配しようとする者の孤独。与えられない者の悲しみ。
竹宮さんは、上品でプライドの高いキャラに熱い血を通わせる。
この作品は、単なるホモマンガではない。
優美な音楽と風を感じる、芸術的なゴシックコミックだ。
読めば誰かに、愛を語りたくなるだろう。(笑)
今回、書くきっかけになったのは
peach-gardenさんの 『お耽美道場』より 10月1日の記事
蓮音はオーギュに似てる。
ノーブル・ノーズ
わが人生に咲き誇りし 最大の花よ
遠き青春の夢の中
紅あかと燃えさかる
紅蓮の炎よ…
きみは わがこずえを鳴らす風であった
風と木ぎの詩がきこえるか
青春のざわめきが―
おお 思い出すものもあるだろう
自らの青春のありし日を―
この漫画、たまにすごく読みたくなります。
主人公二人は嫌いなんですけど、最後のセルジュによる詩的なセリフ(?)はすごく好きですね。
まぁ、私にとっての花はオーギュなのですが。
オーギュ、いいですよね。
私も抱かれたいですっ。(爆笑)
ああいう、陰のある高飛車な男はタイプです。
アランさんのおかげで、ダンボールの中のなつかしいコミックをかたっぱしから読みました。(笑)
「ベルばら」も好きですよ。ロココ調がいい!