令和6年7月18日
DON検査
小麦のかび毒『DON』の正しい知識Q&A | シンジェンタジャパン|Syngenta Japan
小麦のかび毒『DON』の正しい知識Q&A
マイコトキシンって何ですか?
マイコトキシンは「マイコ」はかび、「トキシン」は毒素を意味し、 日本語では「かび毒」と訳されています。
マイコトキシンとはかび類が作り出す代謝物質で、人や動物に対して有害な影響を及ぼす毒素の総称です。
麦類の赤かび病をもたらす病原菌の一種であるフザリウム属菌が数種のマイコトキシンを産出することが知られています。
麦の赤かび病菌はどんなマイコトキシンを産出しますか?
赤かび病の原因となる病原菌のうち、数種類がマイコトキシンを産出します。
産出されるマイコトキシンはおもに「デオキシニバレノール(以下、DON)」と「ニバレノール(以下、NIV)」の2種類で、
特に問題となっているのがDONです。
ただし、菌の種類によっては減収をもたらす一方、マイコトキシンを産出しないものもあります。
国内で主に発生する赤かび病菌は以下の表の病原菌です。
特に問題となっている病原菌として、フザリウム・グラミネアラム種複合体はDONを、
フザリウム・クルモーラムはDONとNIVを産出します。
一方で、ミクロドキウム・ニバーレはDONは産出しないが、赤かび病による減収被害をもたらします。
赤かび病害粒が1粒でも混じっているといけないと聞きましたが?
2002年10月の農産物検査規格(農産物検査法)の改正により、
2003年産麦からは赤かび病被害粒の混入率について0.0%を超えた麦類については規格外に格付けされることになりました。
ちなみに赤かび粒混入0.0%というのは800~1000粒入る検査用の皿に、赤かび粒が1粒でもあれば規格外になるという厳しいものです。
つまり、千粒中1粒でも赤かび病にかかった粒があれば規格外になってしまいます。
なお、この検査規格の対象は小麦だけでなく、すべての麦種が対象です。
したがって、DONの基準値設定の対象となっていない大麦などでも対策が必要となっています。
対策できていますか? 2022年4月にDONの基準値が変わる小麦の「赤かび病」 | シンジェンタジャパン|Syngenta Japan