令和4年8月5日 さんデジ
農地バンク新規貸し付け過去最大
21年度岡山県、事業周知が奏功
岡山県は、農地の貸し借りを仲介する農地中間管理機構(農地バンク)の2021年度利用実績をまとめた。
事業の周知が進み、新規の貸し付け面積は前年度比1・3%増の536・6ヘクタールと過去最大となった。
契約更新などは、前年度に更新時期を迎える契約が多かった反動で47・0%減の113・9ヘクタール。
このため賃借契約が成立した面積全体は12・6%減の650・5ヘクタールと2年ぶりに減少した。
農地バンクを運営する県農林漁業担い手育成財団によると、新規貸し付けは事業の浸透により仲介が進み、
中には玉野市用吉地区のほ場整備事業に伴う集落営農法人の利用(約30ヘクタール)というまとまった農地の契約もあった。
貸付先別は、個人農家が14・3%減の302・9ヘクタール、農業法人が27・4%減の232・7ヘクタール、
集落営農法人は63・9%増の114・9ヘクタールだった。
21年度の新規の借り受け希望は227個人・団体の395ヘクタール(56・5%減)、貸し付け希望は1556個人・団体の523ヘクタール(1・9%増)。
事業を開始した14年度からの累計では借り受け希望7286ヘクタールが、
貸し付け希望3941ヘクタールを大きく上回っている。
農地バンク事業は、農地の大規模化による競争力強化や耕作放棄地の抑制を目的に全国で行われている。
県内では同財団が主体となり、高齢農家らから耕作放棄地を借り受け、担い手に貸している。
賃借契約の事務手続き代行、貸し手の固定資産税軽減といった特典もある。
貸し付け希望の農地は大型農機が入らない小区画が少なくなく、借り受け希望では果樹や野菜向けの畑地として利用したいとのニーズも多いという。財団の担当者は「市町村などと連携して農地の区画拡大や水田の畑地化といった対策を進め、マッチングにつなげたい」としている。