令和5年8月23日
団塊世代の男性70人 5年で撮影
津山の写真家柴田さん 展覧会計画
津山市の写真家柴田れいこさん(75)が、高齢者となって第二の人生を歩む団塊の世代の男性約70人を5年がかりで撮影した。
現役時代とは懸け離れた仕事に励んだり、病魔と闘ったり、百人百様の生きざまを切り取っている。
本年度中に展覧会を開きたい考えで「いくら年を重ねても人生って楽しいんだと感じてもらえれば」と話す。
柴田さんは50代に入り大阪芸術大で写真を学んだ。
65歳を過ぎてから体調不良も経験した。
自身の人生を踏まえ、戦後の混乱期に生まれてわが国の経済発展を支えた
同じ団塊の世代の男性が現役を退いてからどう生きているのか、
生きることの意味合いが若い頃と変わったのかを知りたいと思い撮影を始めた。
新型コロナウイルスの影響で制作の中断を余儀なくされた時期があったが、
東京、山梨、石川、大阪など全国各地に足を運んだ。
イスラム教に改宗し出版社を退職後、東京のモスク(礼拝所)で仕事をしている柴田さんの同級生
▽マジシャンとして興行や慰問をしている元温泉旅館経営者
▽視力の衰えから養蜂業に転じた元大工
▽大企業を定年退職後、山中で養鶏と畑仕事にいそしむ人
▽趣味の弓道に取り組める日々を取り戻すことを誓い、がんと闘っている人―らを取り上げている。
誰もが何らかの形で社会や地域との接点を持ち続けているのが印象的で、
レンズを向けると、ほとんどの人が自然な笑顔を見せたという。
展覧会は地元・津山や東京、大阪のギャラリーで開きたい意向。
一人一人が人生の主人公であるという思いから、会のタイトルは「ヒーロー」とする。
柴田さんは「撮影をした人の多くが今や75歳以上の後期高齢者。
多くの辛苦を乗り越え、輝いた人生を送っている様子を伝えたい」と話す。
展示会の開催を楽しみに待ちます。