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百草画荘--小島善太郎記念館

2016-02-22 12:22:22 | 美術

「百草画荘--小島善太郎記念館」は梅の名所「百草園」のすぐ近くです。

百草園のポスターにあった洋画家小島善太郎のこの画は
園の梅を描いたもので、
色が美しくて惹きつけられました。

以前、八王子の夢美術館で善太郎の画を見たことがあって、
温厚な画風、風景画と桃の画が印象にのこっていました。

昨年は入り口まで行って
閉館に涙を飲みましたが、

今年は開館日に合わせて行きました。

 
 
入り口。


庭の急な石段を登ります。


母屋、この右部分のアトリエが公開されています。

  
茶室から入れるというので、回り道して
にじり口から失礼します。


茶室。暗いのですが、屏風の向こうの襖を開けるとアトリエです。
善太郎の死後、奥さまがアトリエの一角を
茶室に改造されたらしいです。

 
お雛様が飾ってあってびっくり。 
きれいですにゃ~。しばし見とれました。


アトリエに画が掛けられています。
写真、遺品、などのほか、
画に使われた壷、鉢、彫刻なども一緒に展示してあります。
アトリエ内は撮影禁止ですが・・。


ボランティアの方がお茶を入れてくださいました。
このお写真は許可を得ました。


大正時代のお膳だそうです。
富士山がお好きだったそうですので、
干菓子も富士と百草園の梅を模ったものを
作っていただいたものだそうです。


美濃焼のお茶碗。
小島夫妻は辰年だったそうで、
緑の龍が鮮やかに描かれています。


ほうじ茶を出されたこれも美濃焼で、
「画聖」と書かれています。

すべて画のこと、お茶のこと、
小島善太郎記念館の館長(善太郎二女)が
エピソードを交えて説明してくださいました。

おいくつくらいでしょう?
80代後半でしょうか?
お着物をお召しで質問にもてきぱきと答えられ、
お父さまが大好きで大好きで、という感じで
それは楽しそうに話されました。

 
善太郎は桃の画をたくさん描いていたのですが、
リンゴのように光を反射しないのが好きだったのだそうです。


一宮の桃の花。

この二女の方は晩年の夫妻の
めんどうをみられていたようです。

 
最晩年、清春のラ・リューシュに泊りこんで画を描く
91歳の善太郎の日常を助けました。

描くのはあまり速くなかったらしく、
まだ雪の積もっているうちから桜木の幹を描き、
咲いてから花を描いたそうです。


百草園の画の色がたとえようもないほどきれいなのは、
梅を見に訪れる家族が幸せそうだったので、
幸せな気持ちで描いたからのようです。

晩年に訪れた幸せです。
百草園は晩年16年を暮らした家に近く、
それまでは八王子に住んでいました。

 
以前の画も上手いですが、
梅や桜の画は見ているだけで幸せになります。

最後の画が一番ダイナミックで美しいなんて、
なんて素晴らしいのでしょう。

それは若い時から積み重ねてきた力と
天恵としかいいようのない画家の才能が
もたらした奇跡と思います。

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